大人の発達障害 自閉症/大人になったら自閉症はどうなる!?

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目次

大人の発達障害 【自閉症とは?自閉症の特性と生活への影響】

自閉症という言葉を聞く機会はあっても、それが発達障害の一つだとすぐに結びつかない方もいるかもしれません。

自閉症(ASD:自閉スペクトラム症)は、社会的なコミュニケーションや行動パターンに特性が現れやすく、子どもの頃に診断されることが多いものの、その特性は大人になってからも続きます。

症状は個人差が大きく、軽度から重度までさまざまです。
この記事では、自閉症の具体的な特徴や、軽度と重度の違いについて詳しく解説していきます。

自閉症 について

自閉症は、現在ではアスペルガー症候群などを含む自閉スペクトラム症(ASD: Autism Spectrum Disorder)という診断名で呼ばれています。
これは発達障害の一種で、特性によって行動や人間関係に特有の苦労を伴いやすいです。

症状に関しては個人差があるため、同じ診断名であっても非常に幅広い症状が存在します。
軽度であまり目立たない場合もあれば、重度で日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

  • コミュニケーションの難しさ
  • 社会的なやり取りが苦手
  • 繰り返し行う行動や興味の限定
  • 感覚過敏や鈍感

ASD(自閉スペクトラム症)は、人によって全く違う症状が出ます。
誰もが同じように感じるわけではなく、生活の中で困ることや得意なことも違ってきます。
たとえ同じASDと診断されても、日常生活の困難さや周りとうまくやれるかどうかは、その人によって全然違うことがよくあります。

発達障害について

「発達障害」という言葉は、脳の発達に関する障害を総称したもので、自閉スペクトラム症(ASD)もその一つです。
発達障害には、以下のような種類があります。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD: Learning Disabilities)
  • 知的障害

自閉症は発達障害の中に含まれる1つのカテゴリーです。
発達障害というのは、より広い概念であり、その中にASDを含む複数の障害が存在します。
自閉症(ASD)は発達障害の一つであり、発達障害の中には他にもADHDや学習障害などが含まれます。

自閉症の軽度と重度の違いとは?

自閉症には「軽度」と「重度」という言葉が使われることがありますが、これは医療的な診断で厳密に分けられるものではありません。

簡単に言うと、日常生活でどれくらい支援が必要か、どんな困難があるかを示しているだけなのです。
たとえば、日常生活にあまり困らない人は「軽度」とされることが多いですが、大きな支援が必要な場合は「重度」と表現されることが多いです。

軽度の自閉症

※こちらの記事では分かりやすいようにあえて、軽度・重度という表現のもと、説明させていただきます。

軽度の自閉症の方は、比較的自立した生活を送ることができる場合が多いです。
しかし、困ることがないというわけではなく、主に以下のような特性がみられます。

意思疎通がうまくいかない

軽度であっても、人とのコミュニケーションに難しさを感じることがあります。
相手の表情や感情を読み取るのが難しかったり、話し方がぎこちなくなってしまうことがあるかもしれません。

こだわりが強い

一度興味を持ったことに対して、深く集中するあまり、他の話題に移るのが難しいことがあります。
日常生活に大きな影響を与えるわけではありませんが、周りの人とペースが合わないと感じる場面もあるかもしれません。

感覚が鋭すぎる/鈍い

軽度の自閉症でも、音や光に対して過敏に反応したり、逆に鈍感であったりすることがあります。

重度の自閉症

重度の自閉症の方は、手厚いサポートが必要な場合が多く、社会的な場面や日常生活での困難さが顕著に表れます。
特徴としては、以下のような点が挙げられます。

深刻なコミュニケーション障害

重度の場合、言葉でのコミュニケーションが非常に困難であることが多く、非言語的な手段(ジェスチャーや視線など)に依存する場合もあります。

反復行動

同じ行動を繰り返す「反復行動」が強く見られることがあります。
これは本人にとって安心感を得る手段であり、環境の変化に対する不安が強いことも背景にあります。

日常生活への影響

重度の自閉症の方は、着替えや食事、入浴といった日常的な活動においても支援が必要になることが多いです。
自立した生活を送るには、継続的なサポートが不可欠です。

軽度や重度は状況や環境によって異なることがあります

自閉症は「軽度」や「重度」という言葉で表されることがありますが、これはその人にどれくらいのサポートが必要かを示すための目安にすぎません。
そのため、状況によっては軽度だと思われる人でも、別の場面ではサポートが必要になることもあります。

たとえば、普段は一人で問題なく生活できる人でも、環境が変わったり、人がたくさんいる場所に行くとサポートが必要になる、ということがあります。
また、重度と診断されている人でも、特定のことに対しては他の人以上に優れた能力を発揮することもあります。

軽度と重度を明確にするのは簡単ではありません

自閉症の軽度や重度は固定されたものではなく、「軽度だから○○ができる」、「重度だから○○ができない」といった簡単な区別はできません。

人それぞれ異なる特性を持っているため、一人ひとりの特性に合わせた支援が大切です。

そのため、「軽度」・「重度」という言葉で判断するのではなく、その人がどんなサポートを必要としているのかを理解して、相手に合わせた適切な支援を提供することが重要です。

自閉症は大人になったら治るのか?

自閉症は「治る」ものではありません。
これは生まれつきのものであり、その特性は一生続きます。

しかし、年を重ねたり、いろいろな経験をすることで、自閉症の特性自体は変わらずとも、それぞれの能力が伸びたり、社会にうまくなじむ力がついてくることはあります。

つまり、自閉症そのものがなくなるわけではありませんが、本人や周りの人が自閉症についてしっかり理解し、適切なサポートや環境を整えることで、自分の特性に対処する方法を学ぶことができる、ということです。

大人になっても特性は変わらないけれど、サポート次第では社会生活をスムーズに送ることができるようになります。

自閉症は大人になって悪化することはある?

自閉症は、大人になっても「悪くなる」ということはありません。

ただし、周りの環境やストレスの多さ、サポートがあるかどうかによって、特性が目立つようになったり、環境にうまくなじめなくなったりすることがあります。

特に、大人になると仕事や家庭での責任が増えたり、周りからの期待が大きくなるため、本人がプレッシャーを感じやすくなり、その結果、他の問題が出てくることがあります。

ストレスや不安が増える

職場や人との関わりでストレスがたまると、気持ちを落ち着かせるのが難しくなり、不安やうつの症状が出やすくなります。

適応障害

社会からのプレッシャーが大きかったり、無理な要求が続くと、うまく適応できず、うつの症状やめまいなどの身体的な症状が出る場合もあります。

これらの問題は二次障害と呼ばれ、「自閉症そのものが悪化した」というわけではなく、周りの理解やサポートが足りないことが原因で引き起こされることが多いです。
しっかりとしたサポートや、落ち着ける環境が整えば、これらのリスクは減らすことができます。

大人になると自閉症の特性はどうなる?

自閉症の特性は、大人になっても基本的には変わりません。
しかし、さまざまな経験を積み重ねていくなかで、以下のような変化が見られることもあります。

対処法が身につく

多くの人は、成長とともに自分の特性を理解し、それにどう対処するかを学んでいきます。
たとえば、人と話すのが苦手な場合には、少しずつ上手に話せる方法を覚えるなど、自分なりの対処法が身につくことがあります。

環境へのなじみ方がうまくなる

自分に無理のない範囲で、自然に過ごすための工夫をするようになることがあります。
そうすると、仕事や日常生活でも、自分の特性に合った環境や人間関係を構築していくことができます。

サポートを求める意識が高まる

大人になると、自分の特性や困っていることに気づき、専門的なサポートを受けようとする人も増えてきます。
サポートを受けることでストレスを減らしたり、自分自身をうまく管理できるようになります。

自閉症は大人になっても治ることはありませんが、反対に悪くなることもありません。
経験やサポートによって社会にうまく適応できるようになることがある一方で、サポートが足りないとストレスがたまり、他の問題が出てくることもあります。

大事なのは、自閉症の方が無理せず生活できるように、自分の特性を理解し、周りの助けを受けることです。
長期的なサポートが本人にも周囲にも必要です。

自閉症に関するよくある誤解

自閉症が大人になると『治る』と誤解される原因には、いくつかのポイントがあります。
誤解されてしまう主な要因は以下の通りです。

見た目には改善したように見える

多くの自閉症の人は、成長や経験を通して社会生活や人との付き合い方を少しずつ学んでいきます。

その結果、特性が以前ほど目立たなくなったり、前よりも上手に対応できるようになることがあります。
これを見て、周りの人はよくなったと感じてしまい、「治った」と誤解することが多いのです。

しかし、これはその人が環境に適応する力を身につけたからであり、自閉症そのものが治ったわけではありません。

 子どもの発達障害と思われがちだから

自閉症は、主に子どもの頃に診断されることが多いため、子どもの発達障害というイメージを持っている人もいます。
そのため、大人になって特性が目立たなくなると、治ったと思われてしまうのです。

  大人の自閉症に対する理解が不足しているため

大人になると子どもの頃よりもサポートを受ける機会が減ることが多いです。
そのため、他者からすると自閉症の特性が目立たなくなったように見え、「治った」と思ってしまうことがあるのです。

この誤解は、大人の自閉症についての理解や周知がまだ十分ではないことが原因です。

 「発達」という言葉の誤解

「発達障害」の「発達」という言葉が、「成長すれば治る」という誤解を招くことがあります。

しかし、「発達障害」は病気などとは違い、生まれ持った特性なので、成長したからといって治るわけではありません。

  周りの人の誤解や期待

成長や学習によって、特性が目立たなくなることはあっても、それは「治る」とは違います。
それでも、「もう治ったんじゃないか」と誤解してしまうのは、家族や社会の「大人になれば治るかもしれない」と期待する気持ちがあるからです。

こうした要因が重なって、大人の自閉症に対して「治る」という誤解が広がっているのだと考えられます。

自閉症が大人になると「治る」と誤解される理由は、成長や経験によって特性が目立たなくなることや、自閉症に対する理解不足にあります。

自閉症は子どもの発達障害というイメージが強く、大人になると症状が軽減したように見えることから「治った」と思われがちです。
しかし、これは特性が目立たなくなったり、本人の努力によって環境に適応した結果であり、自閉症そのものが治ったわけではありません。

自閉症への正しい理解とサポートをしていくことが大切です。

この記事の監修者

鈴木祐貴(すずき ゆたか)

大人の発達障害専門サポート

発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。

発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。

経歴と実績▼

・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。

・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。

大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて

ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。

でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。

むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。

自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。

私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。

これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。

あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。

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