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働くことは私たちの生活において大きな役割を果たしますが、職場での悩みや挫折を経験することは珍しくありません。
しかし、発達障害を持つ大人の中には、特に仕事が長続きしないという悩みを抱える方が多くいます。
周囲から「なぜ転職を繰り返すのか」と問いかけられたり、自分自身でも「また辞めてしまった…」と悩むことがあるかもしれません。
本記事では、なぜ発達障害を持つ方が仕事を続けることに苦労するのか、その背景や原因について探り、対策について考えていきます。
大人の発達障害 【仕事が続かない/転職を繰り返す/すぐに仕事を辞めてしまう】
現代の社会では、キャリアの変化や転職が一般的になってきました。
しかし、発達障害を持つ大人の方々にとって、転職の頻度が高いことや仕事を長く続けられないことは、深刻な悩みとして感じられることが多いです。
このような状況に直面する方々は、「自分がこの仕事に向いていないのではないか」と感じたり、「何度も転職する自分に問題があるのではないか」と自分を責めてしまうこともあります。
では、なぜ発達障害を持つ人々が転職を繰り返す傾向があるのでしょうか?
その背景には、発達障害の特性が関わっている場合があります。この記事では、その理由や対策について詳しく見ていきましょう。
大人の発達障害を持つ人は、何度も転職を繰り返してしまうなど、一つの職を長く続けることが難しいという問題があります。
仕事を続けるのが苦手な理由は?
仕事内容が合わない:注意力の散漫さなど、その人の持つ発達障害の特性によって業務の遂行が難しいことがあります。
職場環境が合わない:発達障害の人は円滑な人間関係を築くことが苦手で、業務に支障をきたすほか、孤立してしまうこともあります。
なぜ転職を繰り返すの?
飽きやすい:ADHDなどの発達障害を持つ人は新しいことに興味が移るのが早いため、仕事に飽きやすいです。また、衝動性の特性がある場合、求人を見て後先考えず衝動的に転職してしまうということもあります。
適応するのが難しい:転職しても、新しい環境や変化に適応するのが難しく、職場での要求にうまく対応できないため、また転職を考えがちです。
仕事を辞めてしまう具体的な事例
1. 職場に馴染めない
大人の発達障害を持つ人が職場で困る大きな理由の一つは、他の人との会話や合図が上手くいかないことです。
たとえば、会議中に同僚が目で合図を送っているのに気づかなかったり、皮肉やジョークを真に受けてしまったりすることがあります。
これは、相手の体の動き、顔の表情といった、小さなヒントがうまく読み取れないからです。
また、同僚が「今日は忙しいね」と言いながら、溜息をついたり、眉をひそめたりしている場面を想像してみてください。
発達障害がある人は、これをただの世間話と受け取ってしまい、実は同僚が助けを求めているサインだと気づかないかもしれません。
その結果、同僚のフォローが出来なかったり、同僚との関係が少しギクシャクしてしまうことがあります。
そして人間関係をうまく築くことができず、職場に馴染めないということが起きてしまいます。
2. 仕事のモチベーションを保つのが難しい
大人の発達障害を持つ人が仕事でよく直面する問題の一つに、「興味やモチベーションの変動」があります。
これをもっと分かりやすく説明すると、新しいことにすぐ飛びつくけど、同じことをずっと続けるのが苦手、ということです。
たとえば、あなたが新しいゲームを始める時、最初はとても楽しくて夢中になりますよね。
でも、何日か遊んだ後、同じゲームが急につまらなく感じられて、別の新しいゲームを探し始める…。
これと同じで、職場でも新しい仕事を始める時はワクワクするけど、時間が経つと飽きてしまい、また新しい仕事を探したくなるんです。
これは、一つのことに長く集中するのが難しいという発達障害の特性によるものです。
3. 注意力の問題と衝動性
大人の発達障害、特にADHDによく見られる特性には、「注意力の問題」と「衝動的な行動を制御する難しさ」があります。
つまり、本来集中すべきことから気が散ってしまい、またすぐ何か別のことをやろうとする衝動を抑えるのが難しいんです。
たとえば、職場で大切なレポートを書いている途中で、ふと気になることが出来ると、その気になったことをすぐ調べたくなってしまい、いつの間にか本来の仕事から離れてしまう…そんなことがよくあります。
その結果、仕事が終わらなかったり、細かいミスを多くしてしまったり、ということが起こります。
そして、このようなミスが積み重なると、職場での評価が下がり、結果的に仕事を変えざるを得なくなってしまうのです。
発達障害を持つ人は転職した先でも同じような理由で辞めてしまい、結果転職を繰り返す悪循環になってしまいます。
大人の発達障害 【仕事が続かない/転職を繰り返す/本当の気持ち/本音】
上記でお伝えしている内容は発達障害の特性による部分が強いです。
発達障害を持つ人の本音に触れていきましょう。
1.常に期待を背負っている圧力
仕事をするたびに、周囲の期待を感じます。
私がどれだけ頑張っても、いつもその期待に十分応えられているか自信が持てません。
上司や同僚、家族からの「頑張って」という言葉が、時に重荷に感じられます。
2.失望させることへの恐れ
新しい仕事に取り組む際、一番恐れているのは、周囲を失望させることです。
自分のミスや短期間での転職が、彼らの期待を裏切っていると感じるたびに、心が重くなります。
3.自分の限界を感じる
いつも自分の限界を感じています。せっかくチャンスをもらっても、うまくいかない自分に苛立ちます。
他の人が簡単にできることが、自分には難しく感じられることが多いです。
4.理解されたいという願望
私の発達障害による特性を理解し、受け入れてくれる職場を見つけることができれば自分らしく働けると信じてます。
ただ、これまでの経験で理解を得ることはなかなか難しいと感じています。
5.失敗を生かしたい
過去のミスから学び、改善したいという意志はあります。
しかし、同じようなミスを繰り返してしまうことに、自分自身でも苛立ちを感じています。
6.自分らしく働きたい
自分に合った仕事を見つけることが、いかに難しいかを感じています。
一つの場所に留まることの難しさ、そして自分自身の感情をコントロールすることの難しさ、周囲と比べて自分が仕事ができないと感じる場面が多く、自分らしく働けないことが悩みです。
大人の発達障害 【発達障害の人が転職を繰り返すことは正しいのか?】
“転職のプロ”に、「発達障害の人が転職を繰り返すことは正しいのか」について、意見を聞いてみました。
議題:発達障害の方が転職を繰り返すことは正しいのか?
発達障害を持つ方のサポートをお手伝いしております、鈴木祐貴”です。
転職のプロ”プロエージェント”です。
本日は発達障害の人が転職を繰り返すことは正しいのか?ということについて議論していきたいと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早速ですが合わない職場や環境、心理的ストレスを抱えながら働くことは正解なのでしょうか?
それとも転職をしてリセットする方がよいのでしょうか?
日本の転職市場の性質も含めてお話をしたいと思います。
そうですね、さまざまな理由があるかと思いますが、結論、転職を闇雲に繰り返すことは転職のプロの目線から見てもあまりおすすめしません。
これは、発達障害の人に関わらずですが、よっぽど優秀な人、つまりヘッドハンディングなどのオファーがある人以外は転職回数には制限があると考えた方がよいですね。
でも、転職は何回してもOKですよね?
はい!日本の法律でも転職は”●●回まで”という縛りはありませんからね。
では、制限があるというのは・・・?
ルール上は何回転職してもよいですが、一定数以上の回数になると、転職自体が困難になります。
外資系や一部の日系企業を除き、日本は未だにキャリアアップのために転職を繰り返す文化が根付いていません。
なるほど。転職回数が多いと、転職活動で不利になるということですね。
はい。採用する企業は、転職回数が多い=すぐ辞める人・忍耐がない人・協調性がない人、と判断する傾向があります。
それなら、発達障害のある人が転職を繰り返すことが望ましくないということについて同意できます。
履歴書に多くの転職歴があると、雇用のハードルが上がることは否めません。
企業は投資対象としての従業員を求めており、教育や研修にかかるコストを考えると、短期間で去ってしまう可能性が高い人を雇用することを躊躇しますよね。
確かに、転職を繰り返すことは雇用者から見た場合、その人の安定性や長期的なプランに疑問を持たせる可能性がありますね。
また、採用は採用担当者や人事部の評価にも関わってきます。
採用後にすぐにやめると採用に係る広告費やリソースが無駄になってしまいますからね。
採用担当者の立場で考えると分かりやすいですね。
同じような経歴やキャリアの人が採用選考に進んだ時、転職回数や前職の在籍歴が考慮されます。
採用担当者としては、自らの評価を下げる可能性があるような選択はしたくないですよね。
つまり、転職回数が多いと”しっかりした企業”に入社するハードルが上がってしまうということですね。
はい。”しっかりした企業”の定義にもよりますが、そのような企業は採用を慎重に行いますし入社後のフォローやサポートも充実している場合が多いです。
反対に無条件で受け入れてくれる企業は、すべてがそうだとは言いませんが、環境に難があり離職率が高い傾向にあります。
いわゆる、ブラック企業ですか?
はい。とりあえず誰でもいいから採用したいという企業ですね。
入社のハードルが低いということは、あまりよくないということですか?
一概には言えませんが、”誰でもいいから採用”というスタンスの企業は、入れ替わりが激しいですからね。
入れ替えが激しいということは、上司や同僚も変わりますし、労働環境も安定せず、過酷な環境だったりします。
なるほど。それは発達障害を持つ人にとって、強いストレスを感じる環境ですね。
転職して新しい環境に適応すること自体が大きなストレスなのに、人が入れ替わる度、また新しく関係を築くのは大変なことです。
ここで大切なのは、転職を考える前に現在の職場でどのように成長できるか、また、どのようにサポートを得られるかを真剣に考えることです。
発達障害を持つ方の場合、特に職場でのサポート体制が、自分の成長や生活の質に大きな影響を及ぼしますからね。
はい。適切なサポートや理解があれば、転職を繰り返さずに済む可能性も高まります。
ちなみに発達障害を持つ方にはどのようなサポートが適切であると考えてますか?
例えば、仕事の管理方法やコミュニケーションのスキル向上のためのトレーニング、職場での理解と仕事の調整などが挙げられます。
また、外部の専門家や発達障害の特性を理解している方からのアドバイスも有効ですね。
大人の発達障害と言っても、個々により特性が異なるので具体的なアドバイスや努力の方法を示してもらえるのは心強いことです。
実際に多くの企業では多様性と包括性を重視しており、発達障害を含めたさまざまな特性を持つ従業員が活躍できるような環境作りに力を入れています。
そして、外部の専門家や発達障害を持つ方が頼れる存在がいれば職を変えるのとは別のアプローチも期待できますね。
はい。転職によってリセットを図る必要がなく、発達障害の人でも自分らしく働くキャリアを形成できると思ってます!
もし、職場にフォローしてもらえるような環境がなければ、自ら外部のサポートを探す、受けるという手段もあります。
外部のサポートとは、医者やカウンセラー、発達障害の方の理解者などですね。
はい。そうです。家族や身内、社内の人には相談し難いことでも、外の人にならありのままを話せるということも珍しくありませんからね。
ビジネスにおいても、外部のコンサルや、外注といった社外のネットワークは当たり前にありますからね。
社内に環境がないなら、自ら環境を用意すればいいという考え方です。
カウンセラーや外部のサポートは期間限定でもスポットでもいいと思います。
けど、いつでも相談できる先があるということがメンタルの安定にもつながります。
たしかにそうですね。ビジネスにおいても最初は外注で対応していた仕事も、経験を積み内製化することも珍しいことではありません。
発達障害の人が自分らしく働くために、嫌なことがあったり壁にぶつかった時に転職という手段を安易に選ばず、他の方法も模索してもらえると嬉しいです。
万が一、転職を検討する際には、そのような企業文化があるかどうかを見極め、自分が長く働ける環境を選ぶことが大切です。
これは、発達障害を持つ方に限らず、転職全般に言えることですけどね。
逃げるようにネガティブな意味で転職をするのではなく、今いる環境でどのようにすれば自分らしくいれるか考える方が建設的ですよね。
はい。結局、逃げるように転職すると、問題に向き合う力がつかずに逃げてしまう癖がついてしまいます。
例えば、転職した当初は環境や人に恵まれていても、後から苦手な人が
転職してきたり異動してくることもありますよね。
たしかにそうですね。せっかく自分らしく働いていたのに、苦手な上司が転職してきたことによって、がらりと環境が変わってしまうということはあり得ますよね。
問題を解決する力がないと、”自分が転職する”という方法しか取れないです。
そうなるときりがないですよね。ずっと転職をし続けなければいけないです。
30代、40代、50代と年齢を重ねれば重ねるほど転職のハードルは上がります。
人手不足とは言え、好きな業種、会社に入れるわけではないですもんね。
そうなんですよ。発達障害の方にとって続けるのが困難な環境や職場ばかりから採用オファーがあっても長続きしませんからね。
それに優良企業ほど人は辞めないので、そもそも採用枠自体が少ないこともあります。
発達障害を持つ人が逃げるように転職しなくてもいいよう、さまざまなサポートを受けられる環境が整ったり、周囲の理解が進む社会になればと願っております。
転職回数に限りがあるというお話は、発達障害を持つ人以外にも言えることなので、皆様も参考にしていただければ幸いです。
本日はありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!
発達障害のある人にとって転職を繰り返すことは望ましくありません。
転職を繰り返すことで、今の環境から悪化することも考えられます。
また、転職回数には実質、制限のようなものがあり、ずっと転職という手段が取れるものではありません。
職場での理解や、外部(カウンセラーや専門家)のサポートを得ながら成長できる環境を見つけることが理想です。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
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