大人の発達障害 【ADHD(注意欠如・多動症)女性の特徴】 

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目次

ADHD(注意欠如・多動症)大人 女性の特徴

発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)は、子どもの頃だけでなく大人になってから診断されることもあります。

特に女性の場合、その特徴が表面に出にくいことから、診断が遅れるケースも多く報告されています。
ADHDは集中力の欠如や衝動性、多動性といった症状を特徴としますが、女性はこれらを隠すための工夫をしていることがあるため、気づかれにくいと言われています。

問題が目立たないからこそ、周囲の誤解も生まれやすいですよね。

女性が適切に振る舞う背景(ADHD(注意欠如・多動症)大人 女性のケース)

女性のADHDにおいても、ASDの女性と同様に、周囲に合わせて振る舞う様子が見られることがあります。

個人差はありますが、対人関係において「嫌われたくない」「浮かないようにしたい」という願望が強い傾向があるため、自分をうまくコントロールし、周囲に合わせて振る舞うことで自分の苦手な部分を隠そうとします。

たとえば、時間管理や集中力の問題を抱えていても、それを外に見せないよう努力することが多いです。
その結果、ADHD特有の問題が目立たず、周囲からは「問題がない」と見られることがあり、診断や支援が遅れることがあります。

ASDの女性と共通する点は、表面的には適切に振る舞っているように見えることが多い点です。

しかし、その裏では非常に大きなストレスや疲れが蓄積し、結果として心身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
どちらのケースにおいても、早期の理解と支援が重要です。

女性のADHDの場合も、ASDと同様に適切な振る舞いを通じて、対人トラブルを避けようとする傾向が強いことは共通していますが、そこにADHD特有の衝動性や注意の散漫さが加わるため、内面的な葛藤が強くなる場合があります。

ADHDの女性もASDと同じように、外から見えにくい問題を抱えていることが多いんですね。

適応が困難になる背景 ADHD(注意欠如・多動症)女性のケース

ADHDの女性は、周囲に合わせた振る舞いをする努力をしますが、このような行動が本人に大きな負担を与えることがあります。
たとえば、注意の散漫さや忘れっぽさを隠そうとすることで、日常生活や仕事など、さまざまな場面でストレスが蓄積しやすくなります。

表面上は問題なく見えても、内面では自己嫌悪や不安感が強くなることが多く、その結果、家庭やプライベートな時間に感情が爆発することもあります。

これは、過剰な努力をしているため、心身のバランスを崩しやすい状況になってしまっているために起こります。

なかには、無理をして適応しようとしていることに気づかず、自分自身がストレスに押しつぶされていることを認識できない方もいます。

このように、女性のADHDは問題が顕在化するまでに時間がかかることがあり、診断や支援が遅れる一因となることが多いです。

無理をして適応しようとする気持ちや努力が、逆に自分を追い詰めることにも…

大人のADHDにおける女性特有の特徴を見ながら、具体的な事例も合わせて確認してみましょう。

ADHD(注意欠如・多動症)女性のケース -物事の優先順位がつけにくい-

ADHDを持つ女性にとって、日常生活や仕事で同時に多くのことをこなすのは非常に難しいことがあります。
なぜなら、やるべきことの重要度や緊急度を判断することが苦手なためです。

職場でプロジェクトの締め切りが迫っている時、Aさんは複数の仕事を抱えていました。

上司からはプロジェクトの進捗報告を求められ、同僚からも細かな質問が次々と寄せられます。

さらに、クライアントからの問い合わせメールにも返信しなければなりません。

Aさんは、どのタスクを優先すべきかがすぐに判断できず、次々と目についた他の業務に手をつけてしまいます。

その結果、どの仕事も中途半端な状態になり、プロジェクトの進捗も滞っていきました。
締め切りが迫って焦りが強くなる中、「自分にはできない」と自己評価も下がり、さらに効率が悪くなるという悪循環に。

最終的に、上司に助けを求めることが遅れてしまい、信頼を損なう結果を招いてしまいました。

休日の朝、家事をまとめて片付けようと計画していたBさんは、洗濯、掃除、買い物、料理など、やらなければならないことが山積みでした。

まず最初に洗濯機を回し、床の汚れが気になったため掃除を始めました。
掃除の途中、床に置いてあった漫画を片付けようと手に取ったものの、少しだけと読み始めてしまいます。

しばらく漫画を読んでいると、スマホの通知音が鳴りました。
Bさんはスマホを手に取ると、急に買い物リストを作ることを思いつき、リストが出来ると早速買い物に出かけていきました。

しかし、その間に洗濯は終了し、洗濯機の中には洗濯物が放置されたまま。
掃除も途中までしか終わっていない状況です。

帰宅後、予定していた家事の多くが中途半端なままであることに気付いたBさんは自己嫌悪に陥ってしまいました。

ADHD(注意欠如・多動症)女性のケース -遅刻や忘れ物が多い-

ADHDを持つ大人の女性にとって、時間や物の管理は大きな課題となることが多いです。
それは、予定に沿って行動することが難しく、時間の感覚が掴みにくいことや、記憶力、集中力に困難さがあるためです。

Cさんは職場で重要なミーティングに出席する予定がありました。

朝、家を出る準備をしていると、ふとデスクに置いた書類が揃っていないことに気づき、急いで探し始めました。

ようやく書類を見つけたものの、いつの間にか時間は過ぎ、すでに出発する予定の時間を大幅に超えています。
Cさんは慌てて出社しましたが、ミーティングには遅刻、上司や同僚にも迷惑をかけてしまいました。

その後、遅れながらもミーティングに出席したCさんでしたが、急いで出てきたために、持ってくるはずだった資料やノートを家に忘れてしまい、重要な情報を共有できないなど、さらに信頼を失う結果になってしまいました。

Cさんはこれまで何度も遅刻や忘れ物をしないよう、自分なりに対策を講じていましたが、毎回同じミスを繰り返してしまう自分に自信をなくしていきました。

Dさんは友人とランチに行く約束をしていました。

準備をして家を出ようとした時、ふと部屋の片隅に置いてあった郵便物を見つけ、「後で忘れるかもしれないから、今のうちに片付けよう」と考えて、片づけ始めました。

その結果、出発時間を過ぎてしまい、急いで家を出ますが、乗る予定だった電車に間に合わず、約束の時間から大幅に遅れてしまいます。

さらに、急いで家を出たせいで、財布を忘れてきてしまい、遅刻した上に友人にランチ代を立て替えてもらうことに。

友人に迷惑をかけたくないという思いで事前に色々と準備をしていたのに、いつも遅刻と忘れ物を繰り返す自分を不甲斐なく感じました。

ADHD(注意欠如・多動症)女性のケース -衝動的行動-

ADHDを持つ女性は、感情が高ぶったり、何かに強く反応した際に、衝動的な行動が出やすくなります。
これは、感情や思考を抑えることが苦手で、その場の勢いで行動してしまうことが原因です。
この衝動的な行動は、多くの場合、後で後悔しやすく、自己嫌悪に繋がることが少なくありません。

職場のミーティング中、Eさんは同僚に否定的な意見を言われました。

そのことについカッとなったEさんは、周囲が驚くような強い口調で反論してしまい、会議の雰囲気が一瞬で悪くなった上に、同僚や上司も戸惑いを隠せない様子でした。

その後、冷静になったEさんは「もっと冷静に対応すべきだった」と、同僚に対して申し訳ない気持ちになりました。

感情的に反応してしまったことで、人間関係に軋轢が生じたり、職場での雰囲気がぎこちなくなってしまい、自分のとった行動に対して、反省や後悔の念に苛まれました。

休日にショッピングモールを訪れたFさんは、特に目的もなくウィンドウショッピングをしていました。
ふとブランドバッグが目に留まり、「今買わないと後悔するかもしれない」という衝動に駆られ、予算も考えずに即決で購入しました。

家に帰ってから落ち着いて考えると、「本当に必要な買い物だったのか?」「こんな出費をして大丈夫だったのか?」という疑念が湧いてきました。

Fさんのクローゼットには使っていない衝動買いの品が既にいくつも眠っており、このような衝動買いを繰り返す度に、経済的な不安や、それに伴った心の負担を感じ、後悔してしまいます。

ADHD(注意欠如・多動症)女性のケース -総括

ADHDを持つ女性は、多くの困難を抱えています。
特に、時間管理や忘れ物、衝動的な行動など、普段の生活や仕事の場面で苦労が目立ちやすいです。

これらの問題は、本人が自分を責めてしまったり、周囲との関係に悩む原因となりやすいです。
しかし、早期に気づくことで、適切な対策や支援を通じて生活の質を大きく向上させることが可能です。

自分の特性を理解することで、自分自身を大事にする方法や、周囲との環境を整える工夫優先順位のつけ方を学び、生活のストレスを軽減できます。

たとえば、やることを小分けにしてリスト化するなど、視覚的に物事を整理することで、物忘れの防止や順位付けがしやすくなります。
また、時間管理や感情のコントロールが難しい場合には、カウンセリングやコーチングを通じて具体的なスキルを学ぶことも効果的です。

一方で、周囲の理解もとても重要です。

家族や同僚がADHDの特性を正しく理解し、本人が負担を感じる場面でサポートを提供できる環境が整えば、ADHDの方自身も自分の特性を受け入れやすくなるでしょう。

職場では、締め切りの調整や、やるべきことを見える形にする工夫といった具体的な配慮が、ADHDの女性にとって大きな助けとなることがあります。

この記事の監修者

鈴木祐貴(すずき ゆたか)

大人の発達障害専門サポート

発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。

発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。

経歴と実績▼

・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。

・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。

大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて

ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。

でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。

むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。

自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。

私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。

これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。

あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。

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