大人の発達障害 ASD ADHD 言いたいことが言えない?
日常のコミュニケーションで、誰もが一度は「言いたいことがうまく伝わらない」と感じたことがあるかもしれません。
発達障害を持つ大人の場合、この問題が日常的に起こり、さらに強いストレスを感じることがあります。
特にASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動性障害)を持つ方々は、コミュニケーションの中で「自分の気持ちや意図を伝えることが難しい」という悩みを抱えることが多いです。
今回は、なぜASDやADHDの特性がコミュニケーションに影響を与え、「言いたいことが言えない」状況が起こるのか、その背景を探っていきましょう。
ASD・ADHDそれぞれの悩みについてみていきましょう。
ASD(自閉スペクトラム症/アスペルガー症候群を含む)
「他人にいつ声をかけるべきかがわからず、結局言いたいことを伝えられない」という悩みを抱えている方が多いです。
この背景には、ASD特有のコミュニケーションにおけるタイミングや場の空気を読むことの難しさがあります。
ADHD(注意欠如・多動症)
「話の結論が見えにくい」や「何が言いたいのかわからない」といった指摘を受けることが多いです。
ADHDの特徴として、話の流れが断続的になりがちで、相手にとっては話の筋道が不明瞭に感じられることがあるため、誤解や混乱を招くことがしばしばあります。
自分の気持ちを伝えることが難しいというのは、多くのASDやADHDを持つ方にとって共通の課題ですね。
【自分の気持ちや意図を正確に相手に伝えることが難しい、言いたいことが言えない理由】
・頭の中では考えや言いたいことが整理されているものの、タイミングが掴めず話す機会を逃してしまう
・考えが整理できていないために、何を言うべきかがわからず言葉が出てこない
・考えがまとまらないまま話し始めることで、相手に意図が伝わらない
・話の前後関係が曖昧になり、文脈が抜け落ちてしまう
これらの現象は、障害の特性が影響していることもありますが、自分自身に意識が向きすぎていることも要因かもしれません。
それでは、大人の発達障害を持つ方が、自分の気持ちや意図を正確に相手に伝えることが難しい、言いたいことが言えない理由について、さらに理解を深めていきましょう。
言いたいことが言えないのは発達障害の特性なのか?
言いたいことがうまく伝えられないのは、発達障害の特性が関係しているのでしょうか?
まず、発達障害に関連する特性について振り返りたいと思います。
ASD(自閉スペクトラム症/アスペルガー症候群を含む)の特性の例
- 社会的なやり取り(一般的に常識とされているコミュニケーション)や対人関係が苦手
- 特定の興味やこだわりが強い
- 感覚過敏など、過剰に反応してしまう
コミュニケーションにおいてよく見られる傾向▼
①相手の感情を理解するのが苦手で、場の雰囲気を読み取れずに話しかけることで、「空気が読めない」と思われてしまう。
②直接的な言葉遣いをしてしまい、相手を傷つけたり、怒らせてしまう。
また、悪意がなくても、相手の反応に気づけないことが問題を引き起こすこともあります。
このような特性を自覚できずに、無意識のうちに誤解を招く行動をしてしまう方もいますし、自分のコミュニケーションの苦手さを理解しているために、積極的に人と話すことを避けてしまう方もいます。
自分の特性に気づき、少しずつ工夫を重ねることで、コミュニケーションの質を向上させることができる可能性があります。苦手だからといって諦めずに、自分の特性を理解し、無理のない範囲で向き合うことが大切です。
苦手意識が強いからこそ、慎重になってしまうことは理解できます。
でも、少しずつ工夫して向き合うことで、コミュニケーションを改善できるかもしれません。
諦めず、自分のペースで取り組むことが大切です。
ADHD(注意欠如・多動症)の特性の例
- 注意散漫
- 集中が続かない
- 衝動的に行動しやすく、感情を抑えにくい
- 多動性があり、落ち着きがない
コミュニケーションにおいてよく見られる傾向▼
①自分のことを話しすぎたり、思いつくままに言葉を発してしまい、相手が話の内容を理解しづらいと感じることがある。
②すぐに話したいという衝動が強く、相手が忙しい時でも話しかけてしまう。
③衝動的に話をするため、「結局何が言いたいの?」や「その話は今じゃないといけない?」と言われてしまい、相手も自分自身も嫌な気持ちになる。
言いたいことが言えない理由は個々の状況によって異なります。
そのため、すべてのケースに対して一つの解決策を提示するのは難しいかもしれません。
しかし、自分自身の特性を理解し、どうしてうまく伝わらないのかを考えることが、改善の第一歩です。
少しずつ、自分のコミュニケーション方法を見直していくことで、伝えたいことをより正確に伝える力がついてくるはずです。
解決策が一つに絞れないからこそ、自分自身を深く理解することが重要です。
一歩一歩、自分の特性に合ったアプローチを模索していくことが、状況の改善につながるのではないでしょうか。
大人の発達障害 ASD ADHD 緊張して話しかけられない
ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)を持つ方々が、人に話しかける際に緊張して話しかけられないことがあります。
それには、さまざまな要因が関係しています。
ASD(自閉スペクトラム症/アスペルガー症候群を含む)の場合
ASDの方は、他者との関わりの中で特有のコミュニケーションの壁を感じることがあります。
たとえば、相手の感情を読み取ることが難しいために、適切なタイミングで話しかけることに不安を感じてしまいます。
また、会話のルールや空気を読むことが苦手な場合、どのような言葉で話しかければ良いのかがわからず、その結果として緊張感が高まることがあります。
こうした不安が積み重なると、話しかけること自体を避けるようになり、コミュニケーションの減少にも繋がってしまいます。
ADHD(注意欠如・多動症)の場合
ADHDを持つ方は、注意の持続が難しかったり、衝動的に行動してしまうことがあります。
そのため、会話のタイミングを見誤ってしまうことに対して強い不安を抱えている方もいます。
また、話す内容が頭の中でうまく整理できないために、緊張感が高まり、話しかけるのをためらってしまうこともあります。
特に、重要な場面や初対面の相手に対しては、その緊張がより一層強くなることもあるでしょう。
緊張を和らげるための工夫
ASDやADHDを持つ方々が、こうした緊張を和らげるためには、まず自分自身の特性への理解が重要です。
自分がどのような場面で緊張しやすいのかを把握することで、効果的な対策を見つけやすくなります。
また、事前に話したい内容をメモにまとめる、リラックスできる方法を見つけるなど、具体的な準備をすることも、緊張を和らげる手助けになります。
自分の思いを伝えることへの挑戦
大人の発達障害を持つ方で自分の気持ちや考えを言葉にするのが難しいと感じる方は少なくありません。
このような課題を抱えている場合、それを避けることで表現力が低下し、さらに言葉にすることが苦手になってしまう恐れがあります。
大切なのは、少しずつでも自分のペースで挑戦を続けることです。
たとえば、家族や友人との会話から始めてみるのが良いでしょう。
親しい相手であれば、安心して話しやすく、失敗を恐れることなく練習できます。
最初は短い言葉や簡単なフレーズでも問題ありません。
重要なのは、無理をせず、自分が心地よく感じる範囲で継続して練習することです。
さらに、自分の表現力を高めるために役立つ方法として、文章にしてみるのも一つの手です。
日記やメモを通じて、自分の考えを整理し、それを言葉にする練習をすることで、少しずつ自信がついてきます。
文章を書くことで頭の中が整理され、話す際にもスムーズに言葉が出やすくなるでしょう。
小さな一歩から始めることで、言葉で表現する力は確実に伸ばしていくことができます。
重要なのは、焦らず、少しずつでも自分の成長を感じながら進めていくことです。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
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