
発達障害の特性と向き合う日々
発達障害を持つ方々にとって、日々の生活や人間関係の中で感じる困難や葛藤は、個々の特性によってさまざまです。
しかし、それと同時に、自分の特性を理解し、受け入れ、乗り越えることで得られる成長や喜びもあります。
この記事では、発達障害の特性と向き合いながら生活を送る方々の体験談をもとに、困難をどのように乗り越えてきたのか、また、その過程で得た学びや支えとなった工夫についてまとめました。
日常の中で感じる「できること」と「できないこと」、その狭間で奮闘する姿を通じて、発達障害のある方々が直面するリアルな課題や、それに対する具体的な対応策について考えていきます。
この記事が、発達障害を持つ方の理解を深め、より良いサポートのヒントとなることを願っています。
ぜひご覧ください。
発達障害の特性をリアルな声から紐解く:日常の課題とサポートのヒント
てるまるさんの子ども時代の体験談
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「てるまる」です。
★年齢を教えてください



35歳です。
★性別を教えてください



女性です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



ADHD(注意欠如・多動症)です。
★職歴について教えてください



3回以上の転職経験ありです。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
日常生活で困難を感じる場面はありますか?
選択式 ※青が回答
・人混みや騒がしい場所にいるとき
・新しい環境や状況に適応するとき
・複数の仕事を同時にこなすとき
・予定外の出来事が起きたとき
周囲からどのような誤解を受けやすいと感じますか?
選択式 ※青が回答
・無愛想だと思われる
・協調性がないと見なされる
・怠けていると誤解される
・自己中心的だと思われる
・空気が読めないと感じられる
サポートや配慮が必要だと感じる場面はどれですか?
選択式 ※青が回答
・職場や学校での指示が曖昧なとき
・大勢の人が集まるイベントに参加するとき
・複雑な手続きや書類を扱うとき
・急な予定変更があるとき
・長時間の集中が求められるとき
ストレスを感じる要因はどれですか?
選択式 ※青が回答
・大きな音や強い光などの感覚刺激
・人間関係のトラブルや誤解
・タスクの締め切りやプレッシャー
・ルーティンが崩れること
・自分のペースで行動できないこと
コミュニケーションで苦手だと感じることは何ですか?
選択式 ※青が回答
・相手の冗談や皮肉が理解できない
・会話の適切なタイミングがつかめない
・自分の気持ちを言葉で表現すること
・目を見て話すことが難しい
・長時間の会話を続けること
自己理解に関して当てはまるものはどれですか?
選択式 ※青が回答
・自分の感情の変化に気づきにくい
・自分の強みや弱みがよくわからない
・自己評価が低いと感じる
・自分の興味や関心が偏っている
・他人からの評価を過度に気にしてしまう
周囲に望むサポートは次のどれですか?
選択式 ※青が回答
・明確で具体的な指示や説明がほしい
・自分のペースを尊重してほしい
・無理に人付き合いを強要しないでほしい
・困ったときに気軽に声をかけてほしい
過去に傷ついた対応は次のどれですか?
選択 式 ※青が回答
・特性を軽視されたり否定された
・周囲から孤立させられた
・過度な期待を押し付けられた
・からかわれたり侮辱された
・勝手に決めつけられたアドバイスをされた
社会生活で不安に感じることは何ですか?
選択式 ※青が回答
・就職や職場での人間関係
・経済的な自立や生活の維持
・公共の場でのマナーやルール
・緊急時や災害時の対応
・法律や制度の理解と活用
自分の特性について感じていることはどれですか?
選択式 ※青が回答
・周囲に理解されにくいと感じる
・個性として受け入れている
・改善や克服が必要だと思う
・周囲に隠したいと思っている
・同じ特性を持つ人とつながりたい
これまでに言われて心に残っている言葉や、そのとき感じた気持ちを教えてください
中学生の時、「信用すると危なっかしいから、全面的には信用しない」と仲の良い友達に言われたことがあり、引っ掛かっていました。普段そんな刺々しい言葉を口にしない子から言われたので、余計にもやもやしたのだと思います。
その時は自分には非がないと思っていましたので、心無いことを言う友達に少し怒っていました。でも今振り替えると、中学生生活でも注意欠如や多動性の特質が習慣に出ていて、そのせいで友達の信頼を無くしたいたんだなぁと感じます。
先生の話をじっと聞けていないので、その先のことがわからないですし、周りを頼ってばかりの学校生活でした。そのせいで自己管理能力がない、信用できないと判断されてしまったのだと思います。
他人から受けた印象的な経験について、具体的にお聞かせください
これはADHDの特性なのか正直自信がありませんが、朝起きれなかったり、約束の時間を守れないことがよくあります。1つのことに集中できないため、朝の支度もかなり時間がかかってしまいます。
高校生の時、大学のオープンキャンパスに皆で行く約束をしていましたが、私が待ち合わせ場所に行っても誰もいなかったのです。
30分ほど待った時に友達が一斉に到着しました。
いつも遅刻するから私だけ集合時間を早い時間で伝えられていたそうです。その時は少し憤りを覚えましたが、今思えばそれほど毎回迷惑をかけていたんだなと思いますし、そんな私にあわせて待ち合わせをしてくれたこと、また一緒に集合する約束をしてくれていたことに感謝です。
「人の話聞けよー」と軽く突っ込まれることが日常茶飯事でしたが、あれも特性だったのだと思います。
ご自身の行動で印象深かったエピソードを教えてください
高校生の時、大好きな先生が退職することになり、色紙を書くことを私が提案した時の出来事です。皆のメッセージを集めて、渡す日の前日に色紙に貼り付け、リビングのテーブルに置いたまま就寝しました。朝起きてリビングのテーブルを見たらあったはずの色紙が置いてないのです。
すぐに家族を怪しんで、全員に「どこやったのー!?」と怒りながら探しました。結局見つからず、その日は皆に謝罪をしました。とても沈みきって帰宅したあと、なんとリビングのお菓子棚に置いてあるのを発見しました。
思い返してみたらテーブルから移動した記憶が後から出てきました。
渡す予定だった日は過ぎましたが、翌日も先生は出勤していたので、何とか先生に手渡すことができました。自分のことを信じられなくなる、とても悲しい出来事でした。
自分のペースが乱れたと感じたときの状況や気持ちをお話しください
上述した通り、約束の時間に間に合わないことが頻繁にあるのですが、同時に地図が読めない、方向音痴な特性もありまして、単発のアルバイトや就職試験など初めて行く会場がわからず、開始時間に間に合わなかったことが何度かありました。
そのような時、先方に遅れる連絡をいれ、後は頑張って会場は探して向かうだけなのですが、頭が真っ白になり、余計に地図が読めなくなり、その場に泣き崩し、どんどん時刻が遅くなってしまうという経験があります。
泣きながら独り言を言いながら会場に向かいます。
日常的にも、外出先で突然予定がなくなった時などに何も考えられなくなり、その場に佇んでただただ時間だけが過ぎていくということがあります。治したいと思っていますが、マインドコントロールが難しいです。
誤解や噂で影響を受けた経験と、そのときの心境をお聞かせください
学生の頃、授業が最後まで聞けない子供でした。
大学生になっても治りませんでした。何とか集中しようと黒板を見つめていますが、他のことを考えてしまい、いつの間にか今何をしているのかがわからなくなります。
周りの行動を見てくらいつきますが、疲れてしまう時は居眠りをしてしまいます。それのせいで、先生からはわざと授業を聞いていない、聞くきがないと怠けている生徒だと認定されていました。
職場でも医療現場で働いていましたが、人より倍以上のメモやタイマーをかけて勤めていましたが、タスクが重なるとどうしても作業を忘れてしまうことがありました。
そのような時に「メモをとっていない、だらけている」と思われがちで、きついお説教を受けました
自分の意見を伝えられなかったときのエピソードを教えてください
注意欠如、多動性の特性はありますが、発言することは好きなので意見を伝えられず悔しい思いをしたことは少ないです。ですが文化祭や体育祭などの話し合いの場で提案を求められても、その時何の演目の話をしているのかとか、議題が何なのかを把握できていないことが多いので、イベントごとが大好きなのに自分の意見や提案を伝えられたことがないのが悲しかったです。
仕事も同様で、話し合いが長かったりすると、自分が把握している議題が当たっているかどうか自信がなく、提案を求められてもすぐに応えられないことが多かったです。
そのような時は他の人の意見を聞いて、一番賛同できる似たような提案を、自分の言葉で直して発言したりしていました。
他人と比較されて感じたことがあれば、そのエピソードをお聞かせください
母や姉も同じADHDだったのですが、父から何故か私だけは特性によるものではなくただ怠けているだけ、努力すれば直ると言われ続けました。母や姉が繊細な性格だったため、2人には言いづらかったせいかもしれません。
そのため私だけ、鍵の閉め忘れや冷蔵庫の閉め忘れなど、母や姉もしているようなことでもたくさん怒鳴られました。そのせいで外では特性をばれたくない、きちんとしなくてはという思いが強く、あまり他人と比較されることは少なかったですが、成人した今でも家族の中では未だに比較され続けています。
今一番悩んでいるのは姉と結婚した義兄に子ども達の前で「お前たち姉妹は~」と避難されることが多いのこと対し、悔しく思っています。
ご自身の行動が人間関係に影響を与えたと感じた経験があれば教えてください
前述しました通り、高校時代に約束時間を違う時間で伝えられたことがありましたが、学校の待ち合わせではかなりトラブルがありました。そのせいで、短期だったり早めに行動したい友人は私と待ち合わせするのを嫌がりました。
逆にそれでも私と一緒にいてくれようとする友人たちと、早め行動の友人たちは疎遠になってしまったりしました。また、多動性の私は1つのグループでずっと話していることが苦手で、すぐに他のグループの子も巻き込んでしまう癖があり、苦手な子同士を巻き込んで休日の約束をしてしまうことが多々ありました。
今思えば優しい子達ばかりでしたので直接的に咎められたりはしませんでしたが、嫌な思いをしている子が多かったと思います。
イベントや活動に参加できなかったときの気持ちや状況をお話しください
前述の通り、長い話し合いを伴うイベントや活動では、とにかく今何をしているのか、何をすべきなのかを把握できていないので、周りの行動を一生懸命に真似しながら参加していました。
一番困ったのは理科の実験や調理実習などグループで行う作業の時でした。先生の説明を充分に聞いていないので役割を分担されても、自分が何をすべきなのかをわかっていないし、役割は私だけなので真似できる相手もいないので、仲良くない人とグループを組んだときは結局授業が終わるまで固まってしまう、ということが多々ありました。
理科の実験ではそれで私のグループだけ最後まで達成できなく、チームメイトを泣かせてしまうこともあり、申し訳なく辛い思い出です。
周囲の理解について感じたことやエピソードを教えてください
私は父からは、自分がADHDではなくただの間抜けだと言われて育ちました。そのため自分に障害の特性は無いものだと思って生きてきました。でも子育てをしていく上で、自分の子供がADHDなのではないかと不安に思ったことがありました。
小児科の先生などに相談しましたが、娘は今のところ該当しませんでした。
たくさん調べているうちに、全て自分に当てはまるということに気付いたのです。いつも感情を夫にぶつけていた毎日に苦痛を感じていた頃でしたので、病院を受診しました。その時に、私もADHDだと思う、診断を出すこともできるがどうするかと言われました。
変なプライドがあった私は診断をお断りしてましまいましたが、凄く心が楽になりました。今までの違和感や生きづらさは勘違いではなかったのだと。そしてその特性にも負けないくらい気を引き締めようと考えを改めたところ、普段のパニックが少し減りました。
なので私は理解されることより、理解されなくてもいいからできる限り周りに隠しながら生きていくことを選びました。特性を他人に説明したことは1度もありませんが、もしかしたら旧友などは気付いているのかもしれません。
子育てが落ち着き、もう少し心に余裕ができたら、特性について軽い気持ちで明かしてみようかと思っています。
将来について考えるとき、どのような気持ちや不安がありますか?
昔から把握できないことは周りを真似して生きてきたので、真似できる相手がいなくなる恐怖がとても強いです。一番の対象は家族だと思っています。
子ども達が独り立ちして、夫と何らかのかたちで別れることになってしまった時、例えば病院や老人ホームや或いは独り暮らしになってしまった時。自分の精神を絶対に保てないと思います。
病院等のスタッフさんに感情をぶつけてしまうのではないかと不安です。
ただでさえ注意欠如、加えて物忘れが凄いので、すぐに認知症を発症するでしょうし、独りになる前でも家族に大きな負担をかけてしまうのではないかと常日頃恐れています。
あまり老いる前に、周りにあまり迷惑をかけることなく、病気でころりとこの世を去れたら幸せだなということまで考えています。
感情のコントロールに関して、印象に残っている経験があれば教えてください
とにかく自分の考えを理解して貰えないとパニックになる癖があり、パニックになると感情が止められなく、言わなくていいことまで全てぶつけてしまいます。
外では比較的我慢できるのですが、どうしても家族の前だけはすぐにパニックを起こしてしまいます。何より一番しんどかったのが(今でもしんどさは継続していますが)遠距離恋愛をしていた相手と結婚し、関東から関西へ引っ越したエピソードです。
職場も友達も何かもかもいない環境、必ず協力するといった夫は仕事が激務で家事を独りでこなす日々。加えて出産も重なって本当に精神不安定になりました。
自分の両親と歩いている妊婦さんを見かけると涙が止まらなくなり、帰ってきた夫に帰りたいと激情するような生活でした。今は娘ができ、子どもの前ではと我慢していますが、子どもが寝静まった後は月に1回は感情が爆発し、帰りたい気持ちをぶつけてしまいます。マインドコントロールは生涯克服できない自分との闘いだと思っています。
大人の発達障害における課題は、特性が職場や日常生活に影響を及ぼしやすいことが挙げられます。
注意欠如や多動性に起因する自己管理の難しさ、コミュニケーションでの誤解、感情コントロールの課題が明らかになりました。
これらは、急な予定変更や複数タスクに対応する際に困難を伴い、人間関係の障害や転職の繰り返しにつながる場合があります。
解決には、まず特性を客観的に理解し、強みと弱みを把握することが重要です。
さらに、周囲との相互理解を深めることで、環境に適応しやすくなります。
発達障害を個性として受け入れ、適切な工夫を講じることで、より自分らしい働き方や生活を構築できる可能性があります。
理解と工夫を重ねることが、持続可能な生活への鍵となるでしょう。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。


大人の発達障害@暮らし情報館とは



大人の発達障害@暮らし情報館について
大人の発達障害やグレーゾーンの方、またはご家族・職場の方・ご友人・パートナーに向けて、日常生活や仕事、人間関係をより安心して過ごすための工夫やヒントをわかりやすく紹介します。
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