
発達障害を持つ大人たちが直面する課題を実体験から考えましょう
発達障害を持つ方々が子ども時代に経験した悩みや課題は、大人になった今でも生活に影響を与えていることが少なくありません。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ大人が幼少期に感じた困難や孤立感、周囲との違和感についてのリアルなエピソードを集め、分析しました。
これらの体験を通じて、発達障害の特性を理解し、子ども時代の支援のあり方やその後の成長への影響を深く掘り下げていきます。
記事を読むことで、ご自身やご家族、支援者の方が、発達障害の子どもに対する理解とサポートの手がかりを得る一助となれば幸いです。
どうぞ今後の参考にしてください。
発達障害の特性が浮き彫りになる|子ども時代の本音と悩み
りんさんの子ども時代の体験談
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「りん」です。
★年齢を教えてください



29歳です。
★性別を教えてください



女性です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



学習障害(LD)と限局性学習症(SLD)です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
子どもの頃、注意力が続かないと感じたことは、どのくらいの頻度でありましたか?
選択式 ※青が回答
・毎日のようにあった
・週に何度かあった
・あまりなかった
・ほとんどなかった
他の子どもとの協調性が難しかった場面がありましたか?
選択式 ※青が回答
・いつも感じていた
・時々感じていた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、集団活動で困難を感じたことがありましたか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
他の子どもたちと違う行動をとってしまうことで、周りから浮いたように感じたことはありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
学校や家で人と目を合わせることが難しかったですか?
選択式 ※青が回答
・とても難しかった
・少し難しかった
・あまり難しくなかった
・まったく難しくなかった
他の子どもに比べて自己主張が苦手だと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
学校や家庭でのルールや指示が理解しづらいと感じた経験はありますか?
選択 式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、特定の行動やこだわりが原因で、周囲とトラブルになったことはありますか?
選択式 ※青が回答
・何度もあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、体育の時間や遊びで、他の子たちに比べて不安を感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・はい
・いいえ
子どもの頃、失敗を恐れる気持ちが強く、挑戦することが苦手だったと感じることはありましたか?
選択式 ※青が回答
・とても苦手だった
・すこし苦手だった
・あまり苦手ではなかった
・まったく苦手ではなかった
他の子どもと比べて感情がコントロールしにくいと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、大きな不安やストレスを抱えやすかったと感じますか?
選択式 ※青が回答
・非常に抱えやすかった
・少し抱えていた
・あまり抱えなかった
・まったく抱えなかった
学校や家庭での指導や指示が理解できなかったとき、どのような気持ちでしたか?
学校で先生の説明が理解できずもう一度質問するなどしたこともあったのですが、「は?聞いてなかったの?そうなんだよね!」と威圧的に言われてしまったり「だから〜それさっきも言ったよね。
なんで理解できないの?」と半ギレで言われてしまったりでよく自分が悪いんだ。自分の頭が悪いからだめなんだと重い悩やんでいました。話を聞いていないと思われて、はさみの説明の時に刃先を胸元に突きつけられたこともありました。
さすがに人に向けるのは危ないと当時も理解していましたが、本当に自分はだめな人間なんだ。バカだからこんなことをされなきゃいけないんだと塞ぎ込んでいました。なので、普段遊ぶ時ですら悩んでしまいずっと一人で過ごすようになりました。
友人や周囲との人間関係で感じた具体的なエピソードがあれば教えてください
私は癇癪をよく起こしていたので、例えば鬼ごっこで鬼になったり、ゲームで負けるとブチギレたりで周りからしたら手に負えなかったと思います。
実際、仲間はずれにされたり軽いいじめにあったりなど友人関係に支障もありました。でも、私は悪くない。孤立しようがいじめられようが私には原因なんてないと思っていました。学年があがり、転校してきた子と遊ぶことがあったのですが、同じような特性を持っていたため周囲からは嫌われていました。
そこで私も感情的になると嫌われてしまうんだなと思い、抑えるようになったのですが、時々堪えきれず爆発してしまいました。今でも周りのドン引きするような目が忘れられませんし、段々距離を置かれていくのもトラウマです。
強いこだわりなどによって、他の人とトラブルになったことはありますか?
楽しい!と思うと同じようなことを繰り返してしまいます。自分の中で終わればいいのですが、周りを巻き込んでしまってることの方が多いです。自分が面白い!話が受けた!と思うと何回も同じ話を繰り返してしまいます。
周りも最初は聞いてくれますが、何度も続くとうんざりした様子でした。また、何度も相手をいじってしまうので、周りから咎められたことがあるのですが、相手が嫌がったり困ったりすることに気が回っていないので、ある日いきなり距離を置かれたり陰口をいわれたりなんてことは日常茶飯事でした。
漫画やドラマで見るような派手ないじめはありませんでしたが、仲間はずれやきつい物言いでからかわれるなんてことはよくありました。
他人から誤解を受けやすかった経験はありますか?
あまり冗談が通じないので、明らかに嘘だとわかることも真に受けていました。高校時代の担任がジョーク好きでよく生徒をからかっていたのですが、私だけ真に受けて周りを呆れ返らせたこともあります。
その度に私って頭悪いんだなと落ち込んでいました。また、計算と暗記が苦手なためテストの成績はあまりよくなかったのですが、授業は静かに聞いていたので、周りからは真面目で頭がいいと思われており、よく勉強の質問を受けていました。
で、答えられないと「え、賢そうなのにわかんないんだ。」と言われてしまい、ショックで傷ついたことを覚えています。
実際聞いていた子のほうがテストの点が高かったこともあり、あの子頭悪いよねー。と馬鹿にされていました。
学習や理解の遅れが原因で困ったことやストレスを感じたことはありますか?
数字の概念が理解できず、しょっちゅう計算ミスをしていました。暗算もできなくてわからないように指や足をつかって問題を解いていました。なので、小学校高学年頃から算数テストの点数はボロボロでした。
中学生になると指名されて答えなければならなくなったため、ものすごくプレッシャーを感じていました。あってればよかったんですが、間違っていることが大半だったので先生は違うというし、クラスメイトは「は?」みたいな反応だったので地獄のような時間でした。
当然授業はついていけず、テストは赤点でした。でも、自分の頭の悪さを受け止めきれなかったので、先生の教え方が悪いせいにして過ごしていました。学習障害を知ってからはほっとしました。
授業中や自宅での勉強に集中できなかった経験はありましたか?
楽しいと思うことに没頭してしまうので、うまく教科がハマればなかなか高い点数が取れたのですが、そうでないと全くと言っていいほど集中できませんでした。
なので、授業中も嫌いな教科の時は他のことを考えたり、当時小説を書くことにハマっていたのでその内容ばかり考えていて、話なんて聞いていませんでした。
周りの友達に絵を描くのが得意な子がいて、その子も同じようなことをいうので安心していたのですがいざテストになると、その子はいい点数をとっていてなんだか裏切られたような気持ちになりました。かといってしっかり勉強をするように頑張ろうとしても、苦手意識は変わらなかったためもう留年しなければギリギリでもいいや。と諦めていました。
宿題や課題の提出についてのエピソードを教えてください
夏休みや冬休みの課題は遅れたことがありませんが、定期テストの際に出される課題はやる気が起きず大変でした。高校時代は膨大な量の数学の課題に嫌気が差し、半分以上は赤ペンで答えを丸写ししていました。
多少ミスしてそれっぽく見せるなんてことも思い浮かびましたが、そんなことよりも嫌いな数学と向き合っていたくなかったので、丸写しを選びました。
やる気がないのがバレバレでしたが、自分の中では提出したからいいやー。と思っていました。
先生も面と向かっては言わなかったものの、苦言をみんなの前で言っていましたが、相変わらずやる気は起きなかったため丸写しで提出することは変わりませんでした。評価されようがされなかろうがもうどうでもいいやと思っていました。
集団活動や運動が苦手だった場合、それがどのような影響を与えたか教えてください
昔から体育も苦手でした。足も遅いし球技なんかも大嫌いで、使えるのであれば仮病で見学ばかりしていました。中学生からはバレーボールが始まり、試合をすることも増えたのですがまともにボールを打てなかったので足引っ張りまくりでした。
高校時代に六人一組でバレーのトスを連続10回?以上できなれければ評価しません!みたいな授業があり、死にたくなかったのを覚えています。半分は運動神経がよく、もう半分はあまり得意じゃない子だったのですが、一番苦手なのはわたしだったのでものすごく申し訳なく思っていました。
案の定悪口を目の前で言われ雰囲気最悪の中なんとか課題は合格できたのですが、あの時ほど先生を恨んだこともなかったです。
感情が抑えられなかったエピソードがあれば教えてください
本当に些細なことですが、自分が優位に立てないと感情的になっていました。学年が上がると周りは落ちついていきますが、私がキレる内容はあまり変わらなかったため、友達が引いていました。
小学生時代の頃はまだよかったのですが、中学生になりそこからの付き合いの子と友達になっても、同じようなことをしていたのでみんな疎遠になりました。複数人で遊ぼうと約束しても、私が参加するとみんな急用ができたから、とキャンセルをされていました。
そんなことが何度も続いたので流石に私も自分が嫌われていると自覚し、悩んで学校に行けなくなったこともあります。勉強も対人関係もだめならいなくなった方がマシなのでは、と真剣に思い悩みました。
学校や家庭で「普通」とされることに適応できず、葛藤した経験があれば教えてください
朝起きてからスイッチが入るのがとても遅く、ぼーっとしていて何もできないなんてことが多々ありました。ご飯を食べたり、着替えたりするだけで精一杯でした。
周りは朝起きてできる範囲内で髪のアレンジをしたり、ストレートアイロンをかけた!なんてしたりしていましたが、ぎりぎりまで起き上がれなかったので髪なんてぐしゃぐしゃでした。
中学生頃になると異性の目も気になりだしてはいましたが、毎日おしゃれをする体力も気力もわきませんでした。周りはどんどん可愛らしく、大人っぽくなっていく中で一人取り残された気がしてますますふさぎこみ、周りと話す時も俯きがちになりました。周りを妬んだり、卑屈になったりといい思い出はありません。
他の子どもや大人から指摘されたネガティブな特徴や言葉はありますか?
子どもの頃に子どもだけではなく、大人からも陰湿ないじめにあったため、人が怖いと感じていました。そのため友達はごくわずかでいいやと思っていたのですが、それを知らない周りからは「暗いし陰キャだよねー」とよく言われていました。
かといって男子と話しているとからかわれるので、どうしたいいのかと悩みました。あまり知らない人と話すことが苦手なのは変わらなかったので、静かにすることが多かったのですがいわゆる陽キャの女子からは、つまらないし話してても面白くない。
席替えでこんなやつの近くになって残念だと言わんばかりのことを言われたこともあります。存在を全否定されてしまっているので、悩みましたし自信もなくなりました。
大人になった今、子どもの頃の自分を振り返ってどのように感じていますか?
大人になって思うのは、当時の自分にも比があったということです。もし自分のような子がいたら仲良くできなかったと思います。
でも、精一杯頑張って今の自分があるのだから無駄ではなかったと思うし、否定ばかりではなくて認めてあげようと思うようになりました。そして、あんな態度をとっても友達でいてくれたみんなには感謝しかありません。
発達障害を持つ子どもが経験する多様な困難が浮き彫りになっています。
ご相談者様は、学習や社会的な適応の難しさ、自己主張や感情制御の難易度を強く感じており、特に人間関係や学校生活での孤立や誤解がしばしば起こっていたようです。
具体的には、学習障害による学習理解の遅れが原因で教師や同級生との齟齬が生まれ、周囲の支援を得ることが難しかったことが窺えます。
また、感情の抑制や一貫した行動を続ける特性から、周囲との関係が円滑に築けなかったこともわかります。
ご相談者様が語る「同じ話を何度も繰り返してしまう」「冗談を真に受けてしまう」といったエピソードは、特性によるコミュニケーションギャップの一例です。
これにより、他者から距離を置かれたり誤解されることが多く、自己肯定感が低下したことが影響している可能性も考えられます。
さらに、ご相者様が成人になった現在、過去を振り返りながら自分の特性や他者の反応を冷静に見つめ直し、自己理解や受容の姿勢を育てている様子も印象的です。
これは、自己理解が進むことにより、当時の苦労や孤立感を乗り越えるための視点を見出し、将来的な自己成長につながっていることを示しています。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。




この記事の監修者



鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて



ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
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