発達障害を持つ大人たちが直面する課題を実体験から考えましょう
発達障害を持つ方々が子ども時代に経験した悩みや課題は、大人になった今でも生活に影響を与えていることが少なくありません。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ大人が幼少期に感じた困難や孤立感、周囲との違和感についてのリアルなエピソードを集め、分析しました。
これらの体験を通じて、発達障害の特性を理解し、子ども時代の支援のあり方やその後の成長への影響を深く掘り下げていきます。
記事を読むことで、ご自身やご家族、支援者の方が、発達障害の子どもに対する理解とサポートの手がかりを得る一助となれば幸いです。
どうぞ今後の参考にしてください。
発達障害の特性が浮き彫りになる|子ども時代の本音と悩み
SAさんの子ども時代の体験談
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)
「SA」です。
★年齢を教えてください
27歳です。
★性別を教えてください
女性です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?
ADHD(注意欠如・多動症)です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
子どもの頃、注意力が続かないと感じたことは、どのくらいの頻度でありましたか?
選択式 ※青が回答
・毎日のようにあった
・週に何度かあった
・あまりなかった
・ほとんどなかった
他の子どもとの協調性が難しかった場面がありましたか?
選択式 ※青が回答
・いつも感じていた
・時々感じていた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、集団活動で困難を感じたことがありましたか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
他の子どもたちと違う行動をとってしまうことで、周りから浮いたように感じたことはありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
学校や家で人と目を合わせることが難しかったですか?
選択式 ※青が回答
・とても難しかった
・少し難しかった
・あまり難しくなかった
・まったく難しくなかった
他の子どもに比べて自己主張が苦手だと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
学校や家庭でのルールや指示が理解しづらいと感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、特定の行動やこだわりが原因で、周囲とトラブルになったことはありますか?
選択式 ※青が回答
・何度もあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、体育の時間や遊びで、他の子たちに比べて不安を感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・はい
・いいえ
子どもの頃、失敗を恐れる気持ちが強く、挑戦することが苦手だったと感じることはありましたか?
選択式 ※青が回答
・とても苦手だった
・すこし苦手だった
・あまり苦手ではなかった
・まったく苦手ではなかった
他の子どもと比べて感情がコントロールしにくいと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、大きな不安やストレスを抱えやすかったと感じますか?
選択式 ※青が回答
・非常に抱えやすかった
・少し抱えていた
・あまり抱えなかった
・まったく抱えなかった
学校や家庭での指導や指示が理解できなかったとき、どのような気持ちでしたか?
小学生の頃はわからない事を聞きたいけど聞けない、聞いていいタイミングがわからず不安感の中結局こうだろうと結論を下して行動した結果、大勢の前で叱られ泣いてしまい、逃げ出してしまうくらいに落ち込んだ。
中学生の時には自由でいいと言われたので自由に物事を表現した時、結局「こんなものが認められるわけがない」とはっきりと告げられて泣き、そこから完全に不登校になるほど悲しい気持ちになった。
また、もしものために持たされていた携帯電話の没収をされたりして、親が来ないと返さないなどと言われて結局親の仕事終わりまで学校に居残りをさせられ、なんで自分だけがこんなふうに先生から目をつけられたようにしてされたくない事をさなきゃいけないのかとずっと泣いていた。
友人や周囲との人間関係で感じた具体的なエピソードがあれば教えてください
周りの話と自分の話を合わせて推理するゲームで、どんなに丁寧に説明しても「無駄」「何言ってんの?」「全く理解できない」などと散々言われまくり、誰にも理解してもらえない孤独感を感じた。
なにそこまでいわなくてもいいじゃないかと苦痛に感じた。
またSNSでも周りで病んだ人がいた時にはみんなすぐに反応して声をかけるのに、私が病んだ時は誰も声をかけてくれたりせず、むしろ邪魔者扱いされたりしてばかりでどんどん孤立感孤独感が深まりさらに死んでしまいたくなった。
仕事のときも、まともに仕事をしているのに説明が理解できないと言われ続け、結局派遣会社だったために簡単に契約を切られることを何度も経験して、ひたすらに苦痛だった。
強いこだわりなどによって、他の人とトラブルになったことはありますか?
ルールは絶対厳守という気持ちが昔から強く、仕事でも特に顕著に表れていたのであからさまに作業スピードが遅かった。
先輩からこうするといいと教えられても、ルールにそぐわないことをすることに多大なストレスを感じてしまい結局ルールにそった手順で勤務を続けた結果、契約を解除されクビにされた。
また、周りの先輩の誰もが業務中製品を丁寧に扱わないことにもすぐに腹を立ててしまい、見ていることすら苦痛、自分の存在すら苦痛になりルールを厳守するつもりだったのにきがつけば就業時間中に職場から逃げ出し、全ての工場のラインをストップさせるほどのトラブルを引き起こしたことがある。
また、そのまま家出のようにしてなにもかもなげだした。
他人から誤解を受けやすかった経験はありますか?
冗談も嘘もなにも見抜けないため、言われたことを全てまにうけてしまい本当に空気の読めない人間だと面と向かって言われた事がある。
誤解なのかどうかはわからないが、自分はしっかりと仕事をこなしているつもりだが周囲からは常にサボりをしていると見られたり、遅刻や無断欠勤をしたいわけじゃ決してないのにしてしまった時などにひどく怒られた。
友達とゲームで遊んでいた時も、特殊能力が使われなかったのが謎、という意味で発言した言葉を「おまえのおとうとは何もできない無能な奴だ」と言ったとと捉えられてしまい、それが原因で幼馴染で仲良しだと思っていた相手から縁を切られかなしい思いをしたりもした。
これがいちばん誤解を受けたエピソードだと思う。
学習や理解の遅れが原因で困ったことやストレスを感じたことはありますか?
学習や理解に遅れはあまり感じていなかったが、英語、地理、社会などの科目だけは全く理解ができず常に赤点ギリギリで先生の温情でなんとか補習を回避していた。
また、検定を受ける時も隣の人がどんどんと設問を解いていくのを音だけで判断しながら自分もやろうとするが、明らかにスピードに差があり落胆した。しかも検定は不合格で、余計にストレスになってしまった。
なんとかコミュニケーション力をあげようと始めた人狼ゲームでは相手の発言が上手く理解できなかったがために人狼扱いをされて追放されたり、ひたすら責め立てられるような事案が起きてしまった事もある。
もちろんこの時もずっと泣いて、落ち込んで、しばらく部屋に引きこもっていた。
授業中や自宅での勉強に集中できなかった経験はありましたか?
授業中はあまりにも集中力がなく、先生から指定されたページ以外を開いて勝手に自己学習のつもりで本当に関係のないページばかり読んでいた。
また、時計の針の音が急に気になり出してしまい時計を見続けたり、家では全く学習しないほど勉強というものには集中ができていなかった。
なんなら家でやってくるべきホームワーク?宿題?を学校の隙間時間にテキトーに埋めて提出したり、家でやる時も音楽をかけていないと進められず、しかし音楽が原因なのかは全くもって不明だが寝落ちしていることもしばしばあった。
また、集中力にかかわらず人の話を聞き取る事が苦手で、先生が何を言ってるかも周りの学友が何を話してるかもわからなくなるという事が何度もあった。
宿題や課題の提出についてのエピソードを教えてください
宿題の期限通りの提出自体はしていたが、今思うとかなり内容が手抜きだったと思う。
特にノート二ページ分を宿題としてやってくるようになど内容を特段決められていない時なんかはひたすら国語の教科書の文を書き写してみたり、数学の筆算などを1行あけして間をおおくとれるようなものばかりして提出していた。
また、自分がわかりやすいように色付けしたりなども全くすることはなく、ただただ鉛筆のみで書き写しや計算問題をし続けていた記憶がある。
集団活動や運動が苦手だった場合、それがどのような影響を与えたか教えてください
体育では足が遅い。
短距離走ですら数メートル走った時点で息切れを起こす。
あからさまにチームの足を引っ張っている自覚しかなく、運動会もマラソン大会も苦痛だったし、ましてや学習発表会や文化祭も人の前に立たなければならないということでとても強いストレスを感じ、また嫌なものから逃げ出していた。
集団行動で言うならば特に応援練習が苦手で、応援団長などからの圧がひどく恐ろしいものに感じてしまいすぐに逃げていた。
家に帰れるわけでもないので、人のいない、誰もこなさそうな場所でひたすらうずくまって帰りの時間を泣きながら待ち続けていたし、みんながしっかりやっている声が聞こえる事で余計に申し訳なさや恐ろしさを感じ続けていた。
感情が抑えられなかったエピソードがあれば教えてください
意見の通る通らないに限らず声が大きいらしく、それについて文句を言われたと感じた時に相手に本気で怒ってやはり喧嘩に発展した事がある。
また、仕事にいけなくなり始めた時はひたすら仕事先からかかってくる電話も、仕事先ですらない友人からのメッセージへの対応もできないくらいにどんどんどんどん自分の生きる価値がわからなくなり、前述でもあったが家出のようにして無断欠勤で逃亡したことがある。
当然会社ではラインが止まるほどの迷惑がかかったし、親にも何も言わずに寮から出て行った為親にもとても心配をかけたが、当時はともかく電話の音も通知の音にも常に怯えており、スマホの電源を切ってでも連絡を途絶えさせて車で逃げていた時がある。
学校や家庭で「普通」とされることに適応できず、葛藤した経験があれば教えてください。
一般的なお手伝いをすることすら間違えたら怒られるのではという不安感から家事手伝いもなにも子供の頃からしてこず、
現在ですらお風呂の栓のチェーンが挟まっていたことに全く気づかずにお風呂のお湯がただただ流れていってしまい親から「ボイラー代も水代も…」と金銭にかかわる言い方をされてしまい2度と私はお風呂を入れる手伝いや皿洗いもなにもかもしないほうがいいのではないかという葛藤に苛まれたのがちょうど先週のことでした。
また、分量を測ることなどができないため、カップラーメンを食べるためにヤカンなどでお湯を沸かすにしても多く沸かしすぎていて、これでもまた水代が…と親から怒られてなにも許可なく自分から行動を起こす事におそれを強く感じるようになった。
他の子どもや大人から指摘されたネガティブな特徴や言葉はありますか?
工場勤務でも家庭でも、やたらとケアレスミスというか、確認を行ったにも関わらず前述のようにお風呂の栓にチェーンが挟まりお湯が全て流れていたことや、不良品の選抜が全く上手くできず「ちゃんと確認をしろ」「もっと真面目にやれ」「確認したならなんでこんなことになっているの」などと言う言葉をかけられていた。
いくら自分が「確認はししたんです」と言っても実際にミスが発覚している以上どうにもできずただただ自信も失うし、言われる事の悲しさや、なぜ自分は本当にこんなになにもできないのか。
さっさと死んでしまえばよかったんじゃないのかとずっとずっと考え続けている。
また、笑いがうるさいと指摘された事もあるが、本当に自覚がない。
大人になった今、子どもの頃の自分を振り返ってどのように感じていますか?
自信を失って行ったのはすでに小学生のときだったので、なぜ自分は生きているんだろうという思いが尚更強くなってきている。
でも死にたくないきもちもあるからこうして生きてきて、これからどうなるんだろうと不安しかない
ADHD特有の注意散漫や感情コントロールの難しさ、ASDにみられる協調性の課題、自己表現や他者との誤解が繰り返されるなどの発達障害に共通する体験が見受けられます。
特に、ルールへの強いこだわりや一貫した手順を求める姿勢は、ASD傾向の一環といえます。
学校生活や仕事の場面において、周囲とのペースの違いや協調性の不足から孤立感を感じやすかったこと、また自分の言動が誤解される場面が多かったことが述べられています。
これらは、発達障害特性を持つ方にしばしばみられる状況です。 また、他者からの反応や周囲の期待との不一致に悩む一方で、内面で自分の価値や存在意義について疑問を抱くことがあり、これが時折非常にネガティブな感情へと繋がっている点も特徴です。
このような体験は、発達障害を抱える方々が社会的な理解不足や自己肯定感の低下に直面しやすい背景を物語っているといえます。
さらに、仕事の場面でも同様の傾向が継続し、特にルール違反を許容できない感覚が職場の規範と衝突した経験や、協調が難しいと感じる状況があることもわかります。
今回のお話から発達障害を抱える方に特有の「違和感」と「自分のペースを理解してくれる環境が必要」というニーズが浮き彫りになります。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
ブログやSNSでは、発達障害に関する情報や日々を豊かにするヒントを発信しています。
ぜひご覧になってみてください。もし何か気になることや話してみたいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
一緒に悩みから解放され、明るい未来へと歩んでいきましょう。
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