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発達障害を持つ大人たちが直面する課題を実体験から考えましょう
発達障害を持つ方々が子ども時代に経験した悩みや課題は、大人になった今でも生活に影響を与えていることが少なくありません。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ大人が幼少期に感じた困難や孤立感、周囲との違和感についてのリアルなエピソードを集め、分析しました。
これらの体験を通じて、発達障害の特性を理解し、子ども時代の支援のあり方やその後の成長への影響を深く掘り下げていきます。
記事を読むことで、ご自身やご家族、支援者の方が、発達障害の子どもに対する理解とサポートの手がかりを得る一助となれば幸いです。
どうぞ今後の参考にしてください。
発達障害の特性が浮き彫りになる|子ども時代の本音と悩み
H.Tさんの子ども時代の体験談
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)
「H.T」です。
★年齢を教えてください
52歳です。
★性別を教えてください
女性です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?
ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
子どもの頃、注意力が続かないと感じたことは、どのくらいの頻度でありましたか?
選択式 ※青が回答
・毎日のようにあった
・週に何度かあった
・あまりなかった
・ほとんどなかった
他の子どもとの協調性が難しかった場面がありましたか?
選択式 ※青が回答
・いつも感じていた
・時々感じていた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、集団活動で困難を感じたことがありましたか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
他の子どもたちと違う行動をとってしまうことで、周りから浮いたように感じたことはありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
学校や家で人と目を合わせることが難しかったですか?
選択式 ※青が回答
・とても難しかった
・少し難しかった
・あまり難しくなかった
・まったく難しくなかった
他の子どもに比べて自己主張が苦手だと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
学校や家庭でのルールや指示が理解しづらいと感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、特定の行動やこだわりが原因で、周囲とトラブルになったことはありますか?
選択式 ※青が回答
・何度もあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、体育の時間や遊びで、他の子たちに比べて不安を感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・はい
・いいえ
子どもの頃、失敗を恐れる気持ちが強く、挑戦することが苦手だったと感じることはありましたか?
選択式 ※青が回答
・とても苦手だった
・すこし苦手だった
・あまり苦手ではなかった
・まったく苦手ではなかった
他の子どもと比べて感情がコントロールしにくいと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、大きな不安やストレスを抱えやすかったと感じますか?
選択式 ※青が回答
・非常に抱えやすかった
・少し抱えていた
・あまり抱えなかった
・まったく抱えなかった
学校や家庭での指導や指示が理解できなかったとき、どのような気持ちでしたか?
理解できないというより先生の言ったことを数分もしないうちに忘れているので、指導されたこと自体に気が付かない。
気が付かない(聞いていない)ため、不安になることよりも自分だけ違う教室に行ってしまったり、持ってくるものを忘れたり、違う作業をしていました。
おかしいなと気が付くのも遅く、ときどき先生やクラスメイトが変な場所にいる私を探しに来ることが多かったです。
遠足や課外授業、野外活動などでは、しょっちゅうひとりで行動してしまい迷子になっていました。指示されてすぐ行動なら覚えていられる。
または、遠足の友のような冊子があれば事前にしっかり予習していく子どもだったので忘れることはありません。
でも、当日のスケジュールをその場で言われると覚えていないのです。
友人や周囲との人間関係で感じた具体的なエピソードがあれば教えてください
先ほど答えたとおりの子どもだったので、普段の生活でも学校の行事でもクラスメイトに迷惑ばかりかけていました。
だれも私のお世話係にはなりたくないので(自分でも同じように思います)なるべく関わらないように、クラスのなかで無視されることも多かったです。
教師も面倒くさい子どもに対して配慮をする時代ではなかったため、指導として定規ではたくなどのしつけをされました。
孤立や無視が多かったので同級生と話すこと自体が少なかったため、コミュニケーションでの問題は表面化しなかったように思います。
大人になってから、コミュニケーションが上手く行かないことが多かったのは、子どものころ全くトレーニングをしていなかったからだと気が付きました。
強いこだわりなどによって、他の人とトラブルになったことはありますか?
強いこだわりという風には自分では考えていなくて、過敏な部分が身体症状になって出てくるというケースです。
視覚では黄色いものがチカチカまぶしく見えてしまい、そのせいで吐き気を伴う強い頭痛が出たり、靴下の縫い目の部分が気になって脱いでしまったり、特に頭痛は大人になって診断を受けるまでは、ただの偏頭痛持ちだと思っていたのですが、特定の色や臭い、音などが引き金になっているのは、発達障害の特性のひとつだそうです。
よく体調を崩すので、教室で吐いたりしてトラブルになりました。
靴下もすぐ脱いではだしになってしまうため、女の子ですが原始人とあだ名をつけられていました。無視されていたので目立ったトラブルはなかったと思います。
他人から誤解を受けやすかった経験はありますか?
発達性協調運動障害があります。
真面目にやっているつもりでも球技などのチームプレイが全くできておらず(もともと運動神経が悪いのだと思っていました)どんくさい子どもだったので、だんだん競技の輪から外れてしまいぽつんとひとりで立っていることが多かったです。
練習しても出来ないこと(さかあがりや二重飛びなど)が多く、教師からも真面目に練習しない子どもとして嫌われており、よく怒られて校庭に立たされていました。
自分では真面目に練習しているつもりでした、そして努力もしていましたが、普通の子が出来るようになるまでの時間の倍以上、出来るまでに時間がかかります。
それを発達障害の特性とは誰も気が付いていなかったため、不真面目と誤解されることが多かったです。
学習や理解の遅れが原因で困ったことやストレスを感じたことはありますか?
小学生までは学習の遅れはありませんでした。
むしろ、成績は全体の上位だったため勉強は出来る子でした。
クイズ番組や雑学系の本が大好きで読み漁っていましたから、小学校で教わるレベルの勉強に関しては、問題なく過ごすことができました。
理科の自由研究や絵画のコンテスト、作文読書感想文のコンクールで賞をとったこともあります。合唱部では、全く物おじしないという適性をかわれ独唱部分を任されることも多かったです。
本格的に勉強が難しくなる中学校あたりから、暗記のみでは乗り越えられない数学や英語で学習のおくれがありました。
英語は漢字とは違い全てアルファベットの表記になるため、単語が覚えづらくてこずりました。成績は全体の中の中くらいまで落ちました。
授業中や自宅での勉強に集中できなかった経験はありましたか?
授業中、板書を書いているとノートの白さが強く映って目が痛くなることが多く集中したいのに目の奥が痛くて集中力が途切れがちになることもありました。
また、授業中は私の妄想の時間だったので、授業と関係ないことばかり考えていました。
ノートに絵を描いて怒られたこと、試験の答案用紙にも絵を描いたり、詩を書いたり。それを書き残したまま提出して、よく怒られていました。
興味のないことにはまったく集中できず、本を読むのは好きだったので、そのなかでかかわりの深い歴史や科学の授業が好きでした。
好きな教科しか授業を聞いていないため、高校生になるころには得意科目と苦手科目の点数差が50点以上ありました。
得意教科はほぼ100点、嫌いな教科は50点以下です。
宿題や課題の提出についてのエピソードを教えてください
小学生のころは母親が課題をしっかり管理してくれていたので、課題を忘れてしまうということはなかったのですが、普段使っているノートや問題集以外の課題があると、課題そのものはやっていても、学校にもってくるのを忘れるということがよくありました。
中学高校は課題の出ない学校でしたから、夏休みの課題以外は提出義務がなく、個人で予習復習だけでした。
学校からの提出物(親に見せるプリントなど)は、よく渡し忘れていて、妹のものを見て母親も私が提出していないことに気付くというのが多かったです。
よく怒られていましたが、すぐに忘れてしまうので全く効果がなく、母親も困っていました。提出物はランドセルのなかでくしゃくしゃになっているという、漫画みたいなことが日常でした。
集団活動や運動が苦手だった場合、それがどのような影響を与えたか教えてください
球技が壊滅的にできませんでした。
いくら頑張っても体を上手く使うことができないため、だれも私にパスを回さなくなるという状態です。
ドッジボールなどでは一番最初にボールに当たって、最後まで外野でぼんやりしている人でした。常にそんな感じだったので誰も私をチームのなかに入れてくれなくなりました。
私も球技は苦手だったので、それでいいと思っていました。迷惑をかけることは、それだけではなく。
ダンスや体操も覚えられないので、私のせいでみんながいつまでも残されてダンスや体操の練習をしなければならず、本当にもうしわけなかったです。いじめられても無視されても文句は言えませんでした。
問題児だったので嫌われて当然だと思っていました。
感情が抑えられなかったエピソードがあれば教えてください
小学校低学年までは、よく泣いていたそうです。
私は10歳になるくらいまでの記憶があやふやで、ぜんぜん覚えていないのですが、幼稚園や学校が苦手で教室のすみで泣いていたらしいです。
そのとき、先生や親、クラスメイトが、どんな言葉を私にかけていたかも覚えていません。
そのとき、悲しかったのか、辛かったのか、なにが原因になっていたのかも、今の私でもよくわかっていないので、感情を抑えることができなかったが、どのような影響があったのかはわかりません。
泣かないようになったきっかけもよくわからないのですが、小学校のころ無視しないでくれた子は、私と同じようにちょっとはみ出したところがある野生児だったので、野山を駆け回って丈夫な体が出来たからだと思っています。
学校や家庭で「普通」とされることに適応できず、葛藤した経験があれば教えてください
普通の基準が昔なので、女の子なのに。という枕詞がつきます。
女の子なのに忘れ物が多い、女の子なのに身だしなみがいい加減、女の子なのに手先が不器用、女の子なのに字が汚い、女の子なのに上靴のかかとを踏むな、女の子なのに動作が雑、女の子なのに○○が出来ない。
学校でも家庭(両親ではなく親戚のおじさん、おばさんから言われることが多かったです)よく言われました。
そのため、自分は女の子らしくない子どもなんだなと思っていました。
普通の同級生とくらべて身支度が遅い、それ以外にも女の子なのに洋服を畳んで片付けできないと言われていました。
男の子は出来なくても何も言われないのに、なぜ女の子だと言われてしまうのか、今もよくわかりません。
他の子どもや大人から指摘されたネガティブな特徴や言葉はありますか?
とてもどんくさい子だったので、ストレートに馬鹿とかアホとか言われることが多かったです。
親からもトロい、のろい、トロくさい、ダメのカスと言われてきたので、自分のことは無能のダメのカスだと今も思っています。
まあ仕事も出来ないし、あのころに私が言われた言葉は間違いではなかったと思います。
そのなかでは28でも答えたように「女の子なのに」が、一番理不尽だと感じています。
多少のことなら男の子では、あの子は少しやんちゃなところがあるから。とか、だらしない行動をしていても、男の子だからね。
で終わってしまう。
女の子だけが注意されたり、がっかりされたり、期待外れだと言われるのは、なぜだろうかと今でも不思議に思っています。
大人になった今、子どもの頃の自分を振り返ってどのように感じていますか?
大人になってから発達障害の診断を受けたので、自分の劣っていた部分、周りと比べて出来るようになるまで時間がかかったことなど、発達障害の特性だったと知り、なるほどと納得しています。
子ども時代のクラスのみんなから無視などは、まだまだぜんぜんぬるい経験で、私にとっては社会に出てから苦労したことが多いです。
運動能力の低さは、昔は運動音痴と呼ばれる部類で仕方ないことだと思っていたし、勉強が全くできないわけでもなかったため、社会人になってから求められる「普通」や「女性だから」のレベルの高さには、今でも十分答えらえる気がしません。
母親や父親にとっては、とても育てづらい子どもだっただろうなと思います。
昔は発達障害という言葉時代なかったですから。
ご相談者様は幼少期から注意力の持続や協調性に困難を感じており、集団活動に対する適応も難しかったようです。
また、特定の感覚過敏や、視覚や臭いへの敏感さが身体症状として表れ、周囲との摩擦や誤解を招く場面が多くありました。
特に、教室での行動や球技など、身体的な協調運動が求められる活動においても孤立感を抱き、誤解や否定的な評価を受けてきたことが伺えます。
一般的に「普通」とされる行動や期待に対して適応する難しさも描かれています。
「女の子なのに」といった社会的なジェンダー期待から外れることで、自己評価の低下や葛藤を経験したことが特徴的です。
勉強面では暗記力には優れていたものの、抽象的な理解が必要な科目では苦労し、得意教科と苦手教科の成績差が大きくなったとされています。
大人になってから発達障害と診断されたことで、これらの困難が発達障害の特性に起因するものであると気付き、自己理解と納得が得られたことが示唆されます。
今回のご相談者様のケースは、発達障害の理解が進んでいなかった時代に育ったため、周囲からの支援や配慮が乏しかったという課題を浮き彫りにしています。
また、発達障害の特性が対人関係や自己評価に及ぼす影響、周囲からの無理解による孤立感を強調しており、発達障害の子どもや大人が抱える課題に対する理解を深める一助となる内容です。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
ブログやSNSでは、発達障害に関する情報や日々を豊かにするヒントを発信しています。
ぜひご覧になってみてください。もし何か気になることや話してみたいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
一緒に悩みから解放され、明るい未来へと歩んでいきましょう。
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