発達障害を持つ大人たちが直面する課題を実体験から考えましょう
発達障害を持つ方々が子ども時代に経験した悩みや課題は、大人になった今でも生活に影響を与えていることが少なくありません。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ大人が幼少期に感じた困難や孤立感、周囲との違和感についてのリアルなエピソードを集め、分析しました。
これらの体験を通じて、発達障害の特性を理解し、子ども時代の支援のあり方やその後の成長への影響を深く掘り下げていきます。
記事を読むことで、ご自身やご家族、支援者の方が、発達障害の子どもに対する理解とサポートの手がかりを得る一助となれば幸いです。
どうぞ今後の参考にしてください。
発達障害の特性が浮き彫りになる|子ども時代の本音と悩み
水さんの子ども時代の体験談
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)
「水」です。
★年齢を教えてください
21歳です。
★性別を教えてください
女性です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?
ASD(自閉スペクトラム症)です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
子どもの頃、注意力が続かないと感じたことは、どのくらいの頻度でありましたか?
選択式 ※青が回答
・毎日のようにあった
・週に何度かあった
・あまりなかった
・ほとんどなかった
他の子どもとの協調性が難しかった場面がありましたか?
選択式 ※青が回答
・いつも感じていた
・時々感じていた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、集団活動で困難を感じたことがありましたか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
他の子どもたちと違う行動をとってしまうことで、周りから浮いたように感じたことはありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
学校や家で人と目を合わせることが難しかったですか?
選択式 ※青が回答
・とても難しかった
・少し難しかった
・あまり難しくなかった
・まったく難しくなかった
他の子どもに比べて自己主張が苦手だと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
学校や家庭でのルールや指示が理解しづらいと感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、特定の行動やこだわりが原因で、周囲とトラブルになったことはありますか?
選択式 ※青が回答
・何度もあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、体育の時間や遊びで、他の子たちに比べて不安を感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・はい
・いいえ
子どもの頃、失敗を恐れる気持ちが強く、挑戦することが苦手だったと感じることはありましたか?
選択式 ※青が回答
・とても苦手だった
・すこし苦手だった
・あまり苦手ではなかった
・まったく苦手ではなかった
他の子どもと比べて感情がコントロールしにくいと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、大きな不安やストレスを抱えやすかったと感じますか?
選択式 ※青が回答
・非常に抱えやすかった
・少し抱えていた
・あまり抱えなかった
・まったく抱えなかった
学校や家庭での指導や指示が理解できなかったとき、どのような気持ちでしたか?
私は時間や予定を守ることには自信があり、先生や親の指示もできるだけきちんと守ろうとしていましたが、時には指示の内容がわからないことがありました。
特に、集団の中で曖昧な指示を受けると、他の人が問題なく行動できている一方で、自分だけが理解できずに戸惑ってしまうことがありました。
その結果、焦りや不安が募り、どうして自分だけができないのかと自分を責めてしまうこともありました。特に新しい指示やルール変更が突然与えられると、その内容を整理するのに時間がかかり、すぐに行動に移せないことが多かったです。
そうしたときは、周りの人に助けを求めるのが難しく、聞くことをためらってしまうために、さらに混乱してしまいました。
このような状況では、周囲のペースに追いつけないと感じ、強いストレスを感じることが多かったです。
友人や周囲との人間関係で感じた具体的なエピソードがあれば教えてください
友人関係自体は比較的良好でしたが、集団での授業や活動に参加するときには、時折孤立感を覚えることがありました。
特に、みんなが同じ方向に進んでいると感じるときに、自分だけがうまくその流れに乗れず、取り残されたような気持ちになることがありました。
例えば、みんなが自然に意見を交換している場面で、自分はなかなか発言のタイミングがつかめず、沈黙してしまうことが多かったです。
その結果、後になって「自分だけが話についていけなかった」と後悔し、ますます次に発言するのが怖くなるという悪循環に陥っていました。
また、授業で理解できない部分があったときも、他の人がすぐに理解できているのに対し、自分は疑問を解決できないまま授業が進んでしまうことがありました。
しかし、先生がマンツーマンで教えてくれることがあったおかげで、その場では救われ、徐々に不安が解消されていきました。
強いこだわりなどによって、他の人とトラブルになったことはありますか?
私は予定やルールをきちんと守りたい性格で、そのこだわりが強すぎることが原因で、他の人と意見がぶつかることが時々ありました。
例えば、グループで活動をする際に、予定変更が急にあった場合、他の人はすぐに順応できるのに対して、私は変更をすぐに受け入れることが難しく、戸惑ってしまうことがありました。
そのため、急な変更に対応しようと焦ってしまい、結果的にグループのペースに遅れを取ってしまうこともありました。
また、ルールに対するこだわりが強すぎて、他の人がルールを少し緩めに解釈していると、それが許せずに意見を言ってしまうことがあり、そのことで相手との間に摩擦が生じることもありました。
とはいえ、これが大きなトラブルに発展することは少なく、冷静に話し合うことで解決できた場面がほとんどでした。
自分では融通を利かせたいと思いつつも、その場での変化に対応するのが難しいため、周囲との摩擦が発生することが悩みの一つでした。
他人から誤解を受けやすかった経験はありますか?
他人からの誤解を受けることはあまり多くありませんでしたが、時には「真面目すぎる」「堅い」といった評価を受けることがありました。
自分としては物事に対してしっかり取り組んでいるつもりでも、周りからは過度に真面目すぎて柔軟性がないと見られてしまうことがあったようです。
また、予定やルールを守ろうとする姿勢が強いため、「もっとリラックスして考えればいいのに」とアドバイスをもらうこともありました。
特に、何か新しいことに挑戦する際には、リスクを避けようとするあまり、慎重になりすぎてしまい、その結果、周りから「もっと大胆に行動してもいいんじゃないか」と言われることがありました。
このようなフィードバックを受けるたびに、自分の考え方を見直すきっかけにはなりましたが、一方で、自分の慎重な姿勢を捨てるのは簡単ではありませんでした。
周囲との温度差を感じる場面では、少し悩むこともありました。
学習や理解の遅れが原因で困ったことやストレスを感じたことはありますか?
授業中に学習内容を理解できず、周りがどんどん先に進んでいるときに、自分だけが取り残されているように感じ、強い焦りや不安を覚えることがありました。
特に、抽象的な概念や理論的な内容を理解するのに時間がかかることが多く、その結果、授業全体のペースについていけないことがありました。
先生の話が次々と進む中で、自分がわからない部分が蓄積していくと、次第に集中力を失ってしまい、ますます理解が追いつかなくなってしまいました。
そのような状況では、ストレスが増大し、授業後に自分で復習する時間も十分に確保できないことがありました。
それでも、幸運なことに先生がマンツーマンで時間を割いて教えてくれることがあり、そのおかげで何とか理解を深めることができた場面が多々ありました。
ただ、集団授業の中でわからない部分があったときは、質問するタイミングを逃してしまうことが多く、それが積み重なることでストレスが大きくなることが悩みでした。
授業中や自宅での勉強に集中できなかった経験はありましたか?
授業中に集中できないときは、頭の中で考えがまとまらず、次の内容に移ってしまうことがよくありました。
特に、難しい概念や自分が興味を持てない話題が出てくると、すぐに気が散ってしまい、授業全体に集中することが難しく感じました。
また、自宅での勉強でも、同じように集中力が持続せず、途中で休憩を取りすぎてしまうことがありました。
結果として、勉強の進捗が遅れ、予定していた時間内に終わらないことが多々ありました。
このような状況が続くと、次第に勉強そのものに対してやる気を失い、負担感を感じるようになりました。
さらに、他の人が簡単に理解できている内容に対して、自分だけがなかなか理解できないと感じると、自己評価が低くなり、その結果、さらに集中できなくなるという悪循環に陥っていました。
とはいえ、興味を持てる話題や、難しくても挑戦しがいがある課題には集中できるため、そうした時はむしろやる気が高まり、積極的に取り組むことができました。
宿題や課題の提出についてのエピソードを教えてください
宿題や課題の提出に関しては、時間管理をしっかりと行うことにこだわっていたため、提出期限を守ること自体はそこまで難しくありませんでした。
しかし、複数の課題が重なると、どの作業を優先するべきか迷うことがあり、そのせいでスケジュールが崩れてしまうことがありました。
また、完璧に仕上げたいという思いが強すぎて、つい細部にこだわってしまい、結果的に提出ギリギリまで作業を続けてしまうこともありました。
そうした時は、時間内に終わらせるために、優先順位を見直しながら進めていく必要がありましたが、それでも納得がいかない部分を残してしまうと、ストレスを感じることがありました。
また、課題が多い時期には、自分だけが苦労していると感じることがあり、そのせいで他の活動に対する意欲が低下してしまうこともありました。
それでも、最終的には期限を守ることが大切だと感じていたため、提出を遅らせることなく対応していましたが、心の中ではもっと余裕を持って取り組めるようにしたいと感じることが多かったです。
集団活動や運動が苦手だった場合、それがどのような影響を与えたか教えてください
運動能力に関しては特に問題なく、集団活動や体育の授業においても、他の生徒と同じペースで活動することができていました。体力的にも特に劣っているわけではなく、むしろ平均的な能力を持っていたため、運動でついていけないということは少なかったです。
しかし、ディスカッションやグループワークのような集団での学習活動では、自分の意見をうまく伝えることが苦手で、周囲とのコミュニケーションに課題を感じることがありました。
特に、グループの中で自分の役割を果たすことはできるものの、他のメンバーとの意見交換がスムーズにいかないと、フラストレーションを感じることがありました。
また、リーダー的な役割を任されることが多く、その責任を果たそうとする一方で、他のメンバーに対してどのように指示を出すべきか悩むことも多かったです。
それでも、グループ活動自体は楽しんで取り組むことができたため、運動や集団活動が全体的に苦手だったわけではありませんでした。
感情が抑えられなかったエピソードがあれば教えてください
感情を爆発させることはなく、むしろ感情を内に溜め込んでしまうことが多かったです。
周囲に対して感情をあまり表に出さないため、他の人からは冷静に見られることが多かったと思います。しかし、内心では時折ストレスを感じていて、それを上手に表現できないまま抱え込んでしまうことがありました。
たとえば、友人との間で何か気になることがあっても、その場で率直に言葉にすることができず、後になってから後悔することが多々ありました。
感情を抑えすぎることで、次第に自分の中でモヤモヤが積もってしまうことがありましたが、それでも表に出すことは少なく、冷静に対処することを心がけていました。
周囲に影響を与えることは少なかったですが、自分自身の中で整理がつかない感情が長く残り、それが後々の行動に影響することもありました。
学校や家庭で「普通」とされることに適応できず、葛藤した経験があれば教えてください。
時間やルールを守ることに対しては、学校や家庭での「普通」に適応することができていましたが、集団活動や授業での適応には時々苦労しました。
特に、集団で同じことをする場面では、周囲のペースに合わせることが難しく、自分だけが違う方向に進んでいるように感じることがありました。
例えば、ディスカッションの場面では、自分の意見をうまく伝えられず、他の人が自然に意見を交換している中で孤立感を感じることがありました。
また、家庭内でも、急な予定変更やルールの変更があると、すぐに適応できないことが多く、混乱してしまうことがありました。そうしたときには、焦りや不安が生まれ、どう対処すべきか分からなくなることがありました。
それでも、周囲のサポートを受けることで、徐々に状況に適応できるようになり、大きな問題には発展しませんでした。
自分にとっては、適応するまでに時間がかかるものの、時間が経てば徐々にペースをつかむことができるため、少しずつ適応力を養ってきました。
他の子どもや大人から指摘されたネガティブな特徴や言葉はありますか?
他の人から指摘されたネガティブな特徴としては、「真面目すぎる」や「柔軟性が足りない」といったことがありました。
自分ではしっかりと物事に取り組んでいるつもりでしたが、その姿勢が時には過度に堅苦しく映ってしまうことがあったようです。
また、何事にも慎重に取り組むあまり、リスクを避けすぎる傾向があり、そのために「もっと大胆に行動してもいいのではないか」とアドバイスを受けることもありました。
さらに、ルールや予定に対して厳密すぎるという点も指摘され、他の人からは「もう少しゆったり構えてもいいのでは」と言われることがありました。
そうした指摘を受けるたびに、自分の行動や考え方を振り返り、もっと柔軟に対応できるようにしようと心掛けるようになりましたが、性格的に慎重さを捨てるのは簡単ではなく、そのバランスを取るのに苦労しました。
大人になった今、子どもの頃の自分を振り返ってどのように感じていますか?
大人になってから振り返ると、子どもの頃の自分は非常に慎重で、何事にも真面目に取り組んでいたことが分かります。
当時はそれが自分にとって正しいと思っていましたが、今ではもう少し柔軟に対応することができていれば、もっと違った経験ができたのではないかと感じることもあります。
特に、集団での活動において、もう少しリラックスして臨んでいれば、もっと楽に物事を進められたかもしれません。
それでも、当時の自分がそうした慎重な姿勢で物事に取り組んでいたことは、現在の自分にとっても役立っている部分が多いと感じます。
今では、子どもの頃の自分を否定することなく、その経験が今の自分を作っているのだと肯定的に捉えるようにしています。
また、あの頃にもう少し自分を緩めてあげることができていたら、今の自分も少し違った性格になっていたのではないかと感じることもありますが、全体的には過去の自分を受け入れ、前向きに成長してきたと実感しています。
まず、特筆すべき点は「規律やルールの厳守への強いこだわり」や「予定変更への難しさ」が、他者との関係や集団活動での困難を招いたことです。
この傾向はASDの特徴としても広く知られており、柔軟性の必要な場面での適応が難しく、孤立感や摩擦を引き起こしやすいといえます。
また、指示が曖昧な場合に理解が追いつかず、ストレスや焦りが増していく様子も、ASDの方に見られがちな「予測できない状況への不安」と重なる部分です。
さらに、集団での活動や発言タイミングに悩む姿からは、他者のペースに合わせることへの負担感が感じられます。
一方で、対人関係自体は概ね良好であったことからもわかるように、ご相談者様は協調性や努力をもって周囲に溶け込もうとする姿勢も見受けられますが、内面には「自分だけが遅れている」という自己評価の低下が積み重なり、次第に不安が増大したことがうかがえます。
これらの経験から、幼少期に受けた周囲の支援やサポートが、ASD特有の傾向に対してどれほど重要であるかを再確認できます。
また、アンケートを通じて成長してきた経験や自己認識は、現在の自分を支える要素となっており、こうした自己理解の深まりが、今後の適応力向上にも役立つと言えます。
このような客観的な分析に基づき、ASDの特性を持つ方がどのように環境に適応し、自己成長を図っていけるかを考える手がかりとなる内容です。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
ブログやSNSでは、発達障害に関する情報や日々を豊かにするヒントを発信しています。
ぜひご覧になってみてください。もし何か気になることや話してみたいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
一緒に悩みから解放され、明るい未来へと歩んでいきましょう。
あなたが自分らしく輝けるよう、心を込めてサポートいたします。
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