発達障害を持つ人たちが直面する課題を実体験から考えましょう
発達障害を持つ方々が日常や職場で感じる葛藤や挑戦、その解決法は個人ごとにさまざまです。
今回のアンケートは、発達障害を持つ方が経験しているリアルなエピソードを通じて、その思いや悩みに寄り添い、より深い理解とサポートのヒントを提供します。記事を通して、安心して働ける環境づくりや、共感と理解を深める手がかりを見つけていただければ幸いです。
どうぞご自身や周囲のサポートにお役立てください。
発達障害を抱える方々が語る職場での本音と葛藤
ぱたこさんのリアルな体験談/IT業界
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)
「ぱたこ」です。
★年齢を教えてください
42歳です。
★性別を教えてください
「女性」です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?
ADHD(注意欠如・多動症)です。
★転職回数を教えてください
1回です。
★転職した理由を教えてください
看護師として総合病院に12年間就職し、妊娠を機に退職。子育てが一段落して7年ぶりに再就職しようと思ったが自分の精神状態や ADHD の特性を鑑みて 総合病院での職種は負担が大きいと思い 高齢者のデイサービスに就職した。
★失敗体験や辛い経験をした時の年齢を教えてください
28歳です。
★その時の職種と業種を教えてください
看護師/総合病院病棟勤務です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
発達障害の特性がもたらす職場での悩み
ADHD の特性を自分で理解していたので、医者や同僚に業務を頼まれたあと、また別のことを言われると、最初に頼まれたことを忘れてしまうことがあり、それを極力避けるために、毎回 言われたことをメモ帳にメモる、後回しにしないで忘れないうちにやってしまうなどとにかく 神経を張り詰めながら仕事をしていたので仕事が終わった後の精神的疲労が大きかった。
マルチタスクが苦手で一度にいろんなことを処理しようとするとパニックになってしまう。
例えば 医師から処置を頼まれたあと、患者さんの検査出しに呼ばれ、また受け持ちの患者さんから ナースコールが来て 依頼がある など、一度にいろんなことが起こると何を優先してやったらいいのか、 誰かに頼まなきゃいけないのにそれができなくなってしまい 業務が滞ってしまう。
それとよくやってしまっていたのは、ものをどこかに置き忘れてしまうこと。
例えば聴診器をどこかに置き忘れてしまい それを探すのに時間を費やしてしまい、業務が進まなくなることが多かった。
あと、衝動的な性格により、自分のキャパがオーバーしてしまうと 目上の人に対して嫌な顔をしてしまったり 態度に出てしまって注意されたことがある。
しかしそれとは逆に HSP の特性もあったため その日にあった出来事を振り返り嫌なことや 自分がやらかしてしまったことをものすごくくよくよ と考え 眠れなくなることも多かった。
また、空気が読めないこともあり、看護師のミーティングで場にそぐわない発言をしてしまい、後輩の前で赤っ恥をかいたり、先輩に突っ込まれてとてもやな思いをしたこともある。衝動性が災いして、よく考えないで発言してしまうことも原因にある。
上司や同僚との関係で感じるコミュニケーションの課題
ADHDの特性で、感情のコントロール、特に怒りのコントロールが苦手なため、主治医の意向が、自分の感じ方と違って嫌だな、と思った時に、主治医に向かってストレートに自分の気持ちをぶつけてしまったことがある。
主治医の意向について深く考えずに、自分が思ったことを発言(反論)し、先輩にはかなり叱られ反省した。
せっかちで短気な部分があり、後輩が自分が思うようなスピードで 仕事ができなかったりすると、とてもイライラして きつく当たってしまったことがある。
ミーティングなどで相手の話をしっかり聞き終わる前に自分の意見を口出ししてしまう癖があり それも先輩に注意されたことがある。ADHD の特性で衝動的でせっかちなところは仕事がスピーディーに終わるのに役立ったが、細かいところでミスがあったり 抜けがあったりすることもよくあった。
最初に言ったように 感情のコントロール 特に怒りのコントロールをすることが苦手で自分と違う意見や 間違っていることに対してかなりきつい言い方をしてしまい、相手を傷つけてしまうことがよくあったと思う。
気分の村も激しいのでテンションがものすごく高くなる時と低くなる時の差が大きい。テンションが高い時は仕事もはかどりコミュニケーションも自分から積極的にとり 元気にエネルギッシュに行動できるが、テンションが低い時は ボーっとしがちで、頭の回転が遅くなり 物事のはかどる スピードが遅くなりがちであった。
自分では感情のコントロールをすることが難しく気分の変動に自分自身が振り回されて辛いことが多かった。
また課金町で急変の時など や緊急事態で手が震えてしまったり パニックを起こすこともあった。
その問題にどう取り組んだか、また対応に苦労した経験について
注意散漫による物忘れや マルチタスクの苦手さなどは自分自身でもよく理解していたので 必ず言われたことは 急いでメモを取るようにしていた。
優先順位付けが苦手で言われた通りの順番でしか行動ができずそのため 重要なタスクが残っていると焦ってしまい 精神的に緊張感が強まり ストレスが大きかった。
看護師の業務は マルチタスクがとにかく多いので冷静に 優先順位をよく考えて行動することが苦手だった私は、とにかく苦労しました。
また医師や同僚 患者さんとのコミュニケーションを取ることがかなり精神的に負荷が大きかったです。
おそらく私は、ADHDだけではなく、ASDの特性も多少持っていそうで、社交的に振る舞えるけど人間関係を深めることがとても苦手でした。
なので同僚と業務に関してのコミュニケーションはできても、意見交換となるととても苦痛でした。
よくやってしまっていたのが 聴診器やメモ紙などをどこかに置き忘れてしまい それを探すために時間をまた 費やしてしまうということでした なので 置き忘れないように大事なものは何分かおきに 今自分が身につけているか持っているかを確認する癖をつけていました。
ミスをしないように声に出して確認をすることも、欠かさずにやっていました。
感情のコントロールの苦手さについては自分自身では どうしようもなく一度 心療内科でみてもらったことがあります。
あと自分の辛い心境を、カウンセラーの方に聞いてもらい 心を落ち着かせるようにしていました。また 睡眠障害などもあったため睡眠薬も処方してもらい、夜間の睡眠をしっかり確保するように努めました。
夜勤もたくさんあって、不規則な生活だったので 心身の休息を測る術がなかなか見つけられなかったです。
困難が続いたときに抱いた気持ちと向き合い方
ADHDの注意散漫の特性が強かったので、点滴に入れる薬を詰め忘れたり、聴診器やメモ帳を無意識のうちにどこかに置き忘れてしまい、後から気づいて探し回ったりして時間を無駄に費やしてしまうことがよくありました。
決められたことや ルーティンをこなすことは得意でしたが 自分の頭で考えて柔軟に行動することがとても苦手で 急変 や緊急な出来事 イレギュラーな状況に遭遇した時にパニックになりやすかったです。
なので 自分はこの仕事には向いていないと落ち込みしかし 他に何の仕事をしたらいいのかもわからず 八方塞がりでウツウツしていました。
睡眠障害にも陥り、 睡眠薬を内服したりもしていました。自己肯定感 や自己効力感が低く、ちょっとのミスでも大きく考えてしまい、長く引きずるので、精神的に不安定な日々が長かったように思います。
それでいて他人に厳しく、他人のミスを許せず、怒りのコントロールが苦手なため、後輩に対し、きつく当たってしまうこともありました。
昔から 怒りが覚えるとカット なり 怒鳴ってしまったりそれを制御することができず自分は頭がおかしいのかなと よく思っていました。
ADHDであることを知り、その怒りのコントロールや感情の起伏の激しさがそこから来ていると知り、自分自身が少し楽になりました。
小さいミスをした後もかなり長いこと 引きずり 自分はやっぱり何をやってもダメなのかな、と落ち込むことも多かったです。
そうなってしまうと本を読んでも 好きな音楽を聞いてもなかなか心は回復せず、時間が経過し、おのずと気持ちが落ち着くのを待つしかありませんでした。とても生きづらい特性だな、と 自分自身でよく思います。
発達障害の特性を持ちながらでも、仕事で達成感を感じた経験はありますか?
私は ADHD でもあり HSP の特性もありますなので人の心を読むことには欠けていると思います。
人の顔色を伺ったり 人がこういうことを言われると喜ぶだろうなというのは すぐに推察できるので患者さん 相手が嬉しくなるような言葉かけをするととても喜ばれました。
また ADHD の特性で衝動的で、後先考えずに考えるよりも先に行動してしまうと言った特性は、時に勇気を持った行動力としてうつることがあります。くよくよ考えてもだめだなと思う時 突然 思い切った行動に踏み出すことがあります。
慎重な反面 新しいことにチャレンジする勇気を持ち合わせているように思います それはおそらく ADHD の衝動性からくるものかもしれませんが、行動力があるとよく言われました。
頭で考えるよりも前に行動することができるのは考えても仕方がない局面では、とてもいい方向にいったと思います。またアイデアが頭にポンとひらめくこともあり、周りから面白いとか、すごいね、と言われることも結構ありました。
私はマルチタスクは苦手ですが アイデアを問われる業種には力を発揮できるのではないかと考えています。
今はまだ 子育て中 なので 今後自分の得意が伸ばせる仕事につけたら嬉しいな と考えています そのための勉強もやりたいなと考えており そういうことを考えている間はとてもワクワクします。
ご相談者様はADHDの特性でマルチタスクが苦手なため、一度に複数の業務をこなすことが困難でした。
新たな業務が入ると最初の仕事を忘れてしまい、その対処としてメモを活用していました。
感情のコントロールも難しく、衝動的な発言や行動が上司や同僚とのコミュニケーションに影響し、自己肯定感の低下につながっていました。
この実体験から、職場でのコミュニケーションや業務管理の難しさが明らかです。
対処法として、メモの活用、優先順位の設定、リラクゼーション法の取り入れが効果的です。
また、周囲の理解とサポートを得るために、自分の特性を伝えることも重要です。
発達障害の特性を持ちながらも、得意分野を活かして成功や達成感を得ることは可能です。
ご相談者様は人の気持ちを察する力を活かし、患者さんから感謝の言葉をいただいています。自身の特性を理解し、それを強みに変える工夫を続けていくことが大切です。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
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ぜひご覧になってみてください。もし何か気になることや話してみたいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
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