
発達障害に関する体験談を通して理解を深める
発達障害を持つ方々が直面する困難や、その乗り越え方は人それぞれです。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ方々のリアルな体験談を集め、同じ特性を持つ方々が安心して働ける環境づくりや、発達障害に対する理解を深めるための参考にしています。
あなた自身や周囲のサポートに役立つ情報をぜひお読みください。
発達障害を持つ人が職場で直面する問題とその対処法
あしゅさんのリアルな体験談/IT業界
★お名前と年齢を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「あしゅ」です。26歳です。
★性別を教えてください



「女性」です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



ADHD(注意欠如・多動症)です。
★転職回数を教えてください



1回です。
★失敗体験や辛い経験をした時の年齢を教えてください



25歳です。
★その時の職種と業種を教えてください



放送業界です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
職場で感じた理不尽な瞬間 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・指示や期待が不明確で、何をすべきかわからなかった
・他の人と同じミスをしても、自分だけが厳しく叱られた
・上司や同僚が自分の特性を理解してくれなかった
・自分の特性を理由に差別的な扱いを受けた
・会議やチーム作業での意見が無視された
・特定の業務が与えられず、疎外感を感じた
・特に理不尽さは感じなかった
理不尽な上司や同僚とのやり取り
所属チームの先輩から、注力して取り組んでほしいと任された業務があった。
自分にとっても、ずっと挑戦したいと思っていた業務だったので、他のタスクより多くの時間を割いて取り組んだ。
ところが、そのチームを取りまとめる直属の上司から、業務への取り組み方に偏りがあると怒られてしまった。
所属チームの先輩からの指示だと伝えれば良かったのだが、人のせいしているようで後ろめたくなり、言い訳できずに終わった。
仕事で特に苦労した場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・タスクや業務を同時に進めるとき
・締め切りや期日を守るとき
・上司や同僚とのコミュニケーションを取るとき
・会議や報告を行うとき
・複雑な業務や指示が多いとき
・ 環境が騒がしいとき
・特に苦労は感じていない
努力しても報われないと感じた経験
ずっと担当したいと思っていた業務を任された際、毎日残業してでも成果をあげたくて頑張った。
ところが、会社には月の残業時間を60時間以内に収めるようにという規定があり、その時間を幾度か超えそうになってしまったため、上司から怒鳴られた。
努力したことが無駄だったと感じてしまい、仕事に対するモチベーションを失ってしまった。
仕事での失敗に対する感情(複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・自分の特性のせいで、どうしようもないと感じる
・上司や同僚の期待に応えられないと感じる
・失敗を繰り返し、自信を失ってしまう
・ミスを防ぐためにさらにプレッシャーを感じる
・周囲からの評価がさらに下がるのではと不安になる
・自分一人ではどうにもならないと感じる
・特に強い感情はない
ミスに対処しようとしたがうまくいかなかった理由
最初は、分からないことがあればすぐに聞くようにと上司が言ってくれたため、その都度質問していた。
しかし、以前教えてもらったことをもう一度質問すると、注意されるようになったため、質問をすることに恐怖心を覚えるようになった。
だんだん、分からないことが出てきても自分でなんとか対処し作業を終わらせるようになったが、今度はなぜ質問しなかったのかと怒られるようになり、悪循環が生まれてしまった。
職場で求めるサポートの形 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・具体的な指示やタスクの優先順位を明確にしてほしい
・締め切りに余裕を持たせてほしい
・仕事の進行状況を頻繁にチェックしてほしい
・静かで集中しやすい環境を提供してほしい
・自分の特性を理解した上で、無理な期待をしないでほしい
・特定の業務に対して補助やサポートをつけてほしい
・特にサポートは必要ない
サポートに関する具体的な希望
複数のタスクを同時並行で進めたり、タスクによってバラバラな締切を把握したり、複雑な工程がいくつもあるタスクが苦手だったりと、努力してもなかなか改善できない性質であることを理解してほしい。
逆に、何時間も熱中し、黙々とひとつの作業に取り組める点など、得意な部分を活かせる作業を任せてほしい。
仕事でプレッシャーを感じた場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・締め切りが迫っている時
・複数のタスクを同時に進める時
・上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない時
・クライアント対応をしなければならない時(電話やメール)
・自分に任された仕事が上手くできていない時
・会議の準備をしている時
・特にプレッシャーは感じていない
プレッシャーに対する具体的な感情
複数のタスクを抱えている時、優先順位が分からず、後回しにしてもいいものから取り組み始めることが多々あり、上司からしょっちゅう指摘されていた。
他の人ができていて、自分にはできていないという自信のなさに繋がり、仕事に対する苦手意識が膨らんでいった。
自分の特性を説明した際の反応
ADHDの検査結果を元に、上司と面談をしたことがあった。
だが、「ADHD」という特殊な性質であることをなかなか理解してもらえず、「他の人と変わらないよ」「できるじゃん」といった無責任な言葉をかけられて、がっかりした。
その上司にとっては、私を慰めるために発した言葉で悪気がないのが分かっていたので、それ以上何も言えなかった。
仕事が向いていないと感じた瞬間
マルチタスクを求められる仕事は、別の作業をしている間にもう一方のタスクを忘れてしまうことが多く、向いていない。
また、確認作業(ある一つのタスクの中で最後に行う作業など)のように完璧を求められる作業も、ミスや見落としが多発するため向いていない。
そのため、大きな金額を扱う仕事など、ひとつのミスが大きなトラブルに繋がってしまうような仕事は避けている。
仕事を続ける上での最大の不安
ADHDという性質が引き起こす二時的な弊害として、適応障害やパニック障害をよく発症してしまう。
わずかな苦手意識や些細なきっかけで再発するため、また仕事に行けなくなったらどうしよう、という不安がつきまとう。
最初の会社は正社員として働いていたが、プレッシャーを軽くするため、会社をやめてからはアルバイトしかしないようにしている。
だが、アルバイトですら障害が再発して続けられなくなることが数回ある。
ADHDが引き起こす二次的な影響として、適応障害やパニック障害が頻繁に発症するという深刻な問題に焦点を当てています。
仕事のプレッシャーや負担が特性に直結し、些細なきっかけで再発する不安に常に悩まされています。
この不安は、仕事に戻ることへのハードルを高め、仕事継続が難しい要因となっています。
また、正社員としての業務からアルバイトに切り替えることで、プレッシャーを軽減しようとしたものの、アルバイトでも同様の問題が再発し、十分な解決策にはなっていないことが示されています。
このように、仕事における特性の影響が継続的に現れ、それが適応障害やパニック障害といった精神的負担につながってしまいます。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。


大人の発達障害@暮らし情報館とは



大人の発達障害@暮らし情報館について
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こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

