
発達障害に関する体験談を通して理解を深める
発達障害を持つ方々が直面する困難や、その乗り越え方は人それぞれです。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ方々のリアルな体験談を集め、同じ特性を持つ方々が安心して働ける環境づくりや、発達障害に対する理解を深めるための参考にしています。
あなた自身や周囲のサポートに役立つ情報をぜひお読みください。
発達障害を持つ人が職場で直面する問題とその対処法
mawarusora0905さんのリアルな体験談/IT業界
★お名前と年齢を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「mawarusora0905」です。38歳です。
★性別を教えてください



「男性」です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)です。
★転職回数を教えてください



2回です。
★失敗体験や辛い経験をした時の年齢を教えてください



23歳です。
★その時の職種と業種を教えてください



保険業界/アクチュアリーです。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
職場で感じた理不尽な瞬間 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・指示や期待が不明確で、何をすべきかわからなかった
・他の人と同じミスをしても、自分だけが厳しく叱られた
・上司や同僚が自分の特性を理解してくれなかった
・自分の特性を理由に差別的な扱いを受けた
・会議やチーム作業での意見が無視された
・特定の業務が与えられず、疎外感を感じた
・特に理不尽さは感じなかった
理不尽な上司や同僚とのやり取り
「報告連絡相談をしなさい」と言われたため、その通りにすると、「それ、この間も言ったよね?」「それは、僕に聞くことではない」「何を言っているのか全然わからない」などと返されてしまった。
「ミスをしないように」と思って確認したくても確認することができず、結局ミスをしてしまい、自信をなくした。
今考えても、自分がどうするべきだったのかわからない。
仕事で特に苦労した場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・タスクや業務を同時に進めるとき
・締め切りや期日を守るとき
・上司や同僚とのコミュニケーションを取るとき
・会議や報告を行うとき
・複雑な業務や指示が多いとき
・ 環境が騒がしいとき
・特に苦労は感じていない
努力しても報われないと感じた経験
1年で保険会社を辞め、塾講師のアルバイトを始めた。
何とか10年働くことができ、また、大学受験・高校受験・中学受験などで合格実績を多く残すことができた。
「長年にわたって著しい貢献があった場合は、昇給を認めることがある」という文言があったため、10年目で初めて昇給をお願いしたものの、「そんなものなどない」と返されてしまった。
仕事での失敗に対する感情(複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・自分の特性のせいで、どうしようもないと感じる
・上司や同僚の期待に応えられないと感じる
・失敗を繰り返し、自信を失ってしまう
・ミスを防ぐためにさらにプレッシャーを感じる
・周囲からの評価がさらに下がるのではと不安になる
・自分一人ではどうにもならないと感じる
・特に強い感情はない
ミスに対処しようとしたがうまくいかなかった理由
オフィスから離れて、深呼吸をして心を落ち着けようとした。
しかし、それだけですぐに落ち着くはずもないし、「どうやってこの失敗・ミスの埋め合わせをしなければいけないだろうか?」「最悪、クビになるかも?」ということで頭がいっぱいになってしまう。
仕事をしている時間は、あまり集中して取り組めていないし、家に帰ってからも何もする気力がわかなくなる。
職場で求めるサポートの形 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・具体的な指示やタスクの優先順位を明確にしてほしい
・締め切りに余裕を持たせてほしい
・仕事の進行状況を頻繁にチェックしてほしい
・静かで集中しやすい環境を提供してほしい
・自分の特性を理解した上で、無理な期待をしないでほしい
・特定の業務に対して補助やサポートをつけてほしい
・特にサポートは必要ない
サポートに関する具体的な希望
電話応対など、臨機応変を要する業務は避けてほしい。
充分に準備をしたうえで、考えられるシナリオを想定したうえで動くので、それ以外のことを勝手に持ち込まれてしまうと、集中して取り組めなくなってしまうことがある。
仕事でプレッシャーを感じた場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・締め切りが迫っている時
・複数のタスクを同時に進める時
・上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない時
・クライアント対応をしなければならない時(電話やメール)
・自分に任された仕事が上手くできていない時
・会議の準備をしている時
・特にプレッシャーは感じていない
プレッシャーに対する具体的な感情
1日・2日前になって「これをやってください」と急に頼まれてしまうと、「今抱えている仕事とのバランスをどうつけるか? 質を下げることにならないか? 引き受けた仕事もテキトーになってしまい、失望させることはないか?」を一気に考えることになり、非常に大きなプレッシャーを感じてしまう。
自分の特性を説明した際の反応
一部の人には話したことがある。理解を示していただいた人もいれば、全く理解しようとしない人もいた。
ほとんどの人には話したことがない。最初から理解を示してほしいと期待していないため。
理解を示していただいた人に対しては、「絶対にこの人だけに迷惑をかけることはしないし、自分なりのベストを尽くす」と心に決めた。
仕事が向いていないと感じた瞬間
自分なりのベストを尽くしたにも関わらず、思うように結果が出なかったとき。
「自分がかかわったばかりに、周りの人に迷惑をかけてしまった、抱えているお客さんにも迷惑をかけてしまった」とネガティブな気持ちになる。
何度か「給料を下げてほしい」「クビにしてほしい」と発作的に言ったことがあるし、1度だけ「今回、この仕事でダメな結果だったら、自分でクビにする」と言ったことがある(幸い、何とか結果が残せたため、自分で辞めるということはなかった)。
仕事を続ける上での最大の不安
上司が変わることが多いため、考え方の合わない上司にあたってしまったときに、「クビになる」可能性があることに常におびえていないといけない。
また、他部署に振り回されて、自分の適性に全く合わない業務を押し付けられたことが何度もあったため、せっかく戻ってきた体調をまた壊してしまうのではないかということも考えておかないといけない。
発達障害(ADHD・ASD)を抱える個人が職場で感じる不安やストレスを反映しています。
特に、職場環境や上司との関係が不安定であることが、仕事に対する大きなプレッシャーとなっている点が浮き彫りになっています。
上司が頻繁に変わることによる不安が強く、特に新しい上司との相性が合わない場合、「クビになるかもしれない」という恐怖が常につきまとっていることが指摘されています。
これは、発達障害を持つ人にとって、安定した環境や明確な期待値が重要であり、それが欠如している場合、強いストレスを感じやすいことを示しています。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。


大人の発達障害@暮らし情報館とは



大人の発達障害@暮らし情報館について
大人の発達障害やグレーゾーンの方、またはご家族・職場の方・ご友人・パートナーに向けて、日常生活や仕事、人間関係をより安心して過ごすための工夫やヒントをわかりやすく紹介します。
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こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

