
発達障害に関する体験談を通して理解を深める
発達障害を持つ方々が直面する困難や、その乗り越え方は人それぞれです。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ方々のリアルな体験談を集め、同じ特性を持つ方々が安心して働ける環境づくりや、発達障害に対する理解を深めるための参考にしています。
あなた自身や周囲のサポートに役立つ情報をぜひお読みください。
発達障害を持つ人が職場で直面する問題とその対処法
OTさんのリアルな体験談/IT業界
★お名前と年齢を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「OT」です。36歳です。
★性別を教えてください



「男性」です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



ADHD(注意欠如・多動症)& 学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)です。
★転職回数を教えてください



3回です。
★失敗体験や辛い経験をした時の年齢を教えてください



33歳です。
★その時の職種と業種を教えてください



営業職/不動産業です。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
職場で感じた理不尽な瞬間 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・指示や期待が不明確で、何をすべきかわからなかった
・他の人と同じミスをしても、自分だけが厳しく叱られた
・上司や同僚が自分の特性を理解してくれなかった
・自分の特性を理由に差別的な扱いを受けた
・会議やチーム作業での意見が無視された
・特定の業務が与えられず、疎外感を感じた
・特に理不尽さは感じなかった
理不尽な上司や同僚とのやり取り
大雑把な指示で割り振られた仕事を自分なりにこなしてもうすぐ終わると思った時点でやり直しに近い修正を受けた、それにより叱責を受け落ち込む結果となった。
そのあとに多様な状況で仕事を振られたので前回と同じ鉄を踏まないように確認を繰り返した結果、「それくらい考えてやれ、こっちも忙しいのだから」と言われた。
結果どうしたらよいかわからなくなってしまった。
仕事で特に苦労した場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・タスクや業務を同時に進めるとき
・締め切りや期日を守るとき
・上司や同僚とのコミュニケーションを取るとき
・会議や報告を行うとき
・複雑な業務や指示が多いとき
・ 環境が騒がしいとき
・特に苦労は感じていない
努力しても報われないと感じた経験
物覚えがすこぶる悪いので仕事を覚えるのも一苦労しているが、それでもできることを1つ1つ増やしていき、何とかそれなりに仕事も数字もあげられるようになったが評価は変わらず、給料が上がるどころか、年収が落ちていく一方となった。
営業として数字があげ得られているわけでもなく、仕事が遅い自覚があるのでしっかり打ち込んできたが評価は悪いままだった
仕事での失敗に対する感情(複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・自分の特性のせいで、どうしようもないと感じる
・上司や同僚の期待に応えられないと感じる
・失敗を繰り返し、自信を失ってしまう
・ミスを防ぐためにさらにプレッシャーを感じる
・周囲からの評価がさらに下がるのではと不安になる
・自分一人ではどうにもならないと感じる
・特に強い感情はない
ミスに対処しようとしたがうまくいかなかった理由
失敗やミスに対して覚えることができないのでメモにまとめていき、対策を練っていこうとしたが、忘れやすいのでメモをとったことを忘れたり、メモ自体をどこかにやったり、メモを取ること自体を忘れてしまうなど対策を練ることができたのはほとんど数回に終わる結果となった。
失敗をすると頭が真っ白になるのでその時にどうすればよいかわからなくなる。
職場で求めるサポートの形 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・具体的な指示やタスクの優先順位を明確にしてほしい
・締め切りに余裕を持たせてほしい
・仕事の進行状況を頻繁にチェックしてほしい
・静かで集中しやすい環境を提供してほしい
・自分の特性を理解した上で、無理な期待をしないでほしい
・特定の業務に対して補助やサポートをつけてほしい
・特にサポートは必要ない
サポートに関する具体的な希望
何よりも正確な指示がまずは欲しい。
指示がないのならマニュアルや質問できる環境を準備して仕事がスムーズに行えて、確認ができるようにしてほしい。
又、電話応対などが入るとほかのことに意識が行き、今の仕事がおろそかになるので1つの仕事に集中したい。
マルチタスクはないので。
仕事でプレッシャーを感じた場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・締め切りが迫っている時
・複数のタスクを同時に進める時
・上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない時
・クライアント対応をしなければならない時(電話やメール)
・自分に任された仕事が上手くできていない時
・会議の準備をしている時
・特にプレッシャーは感じていない
プレッシャーに対する具体的な感情
複数の仕事をこなすことができないので1つの仕事をしているときに別の仕事を振られるとどちらか一方しか満足に完遂しない状況になる。
それがわかっているのでどうにか覚えていようとメモなどをのこしていくがそれが増えていく一方で最終的にパニックになる。
自分の特性を説明した際の反応
転職の際にハローワークの人や家族に説明をしたが、自分の説明の下手さもあり、共感を全く得ることができなかった。
当然仕事を探すときにこれができないあれができないと伝えてもなんでそんなにできないことばかりを出すのかと言われ、結果何もプラスにならないでおわった。
説明をしたいけど考えがまとまらなくて伝えるとこができない。
仕事が向いていないと感じた瞬間
マルチタスクが全くできないと思った。先輩や同僚を見ていると1度に2つ以上の仕事をこなしているが、自分には目の前のことでいっぱいいっぱいになる。
よく後輩や同僚に手伝ってもらえと言われるが任せる仕事を説明していると結局、今やっている仕事がおろそかになるので結局どちらも完遂できないで中途半端になってしまう。
仕事を続ける上での最大の不安
ミスをすることが不安でしょうがなかった。失敗やミスがあるとそこから落ち込み、次にもっと大きなミスをする。
そのあと落ち込みもっと大きなミスをするという感じで府のスパイラルに陥る傾向がある。
なので失敗をおそれて1つ1つを丁寧にやろうとするとほかの仕事が降られ中途半端になりミスをする。
結果にっちもさっちもいかない状況になりパンクする。
ADHDや学習障害を持つ人々が職場で感じるミスや失敗に対する強い不安が浮き彫りになっています。
ミスをするたびに自信を喪失し、その結果さらに大きなミスを繰り返すという悪循環に陥っている状況を述べています。
この「負のスパイラル」は、発達障害の特性によって引き起こされるプレッシャーやストレスの典型的な例です。
また、失敗を恐れるあまり、慎重になりすぎて仕事の進行が遅れる一方、他の業務が積み重なり、中途半端な結果に終わることが頻発しています。
これにより、さらに業務が滞り、最終的にはパンクするという悪循環に陥る状況が描かれています。
このケースでは、ミスを減らすためのサポートや適切な指導、明確な指示が必要であり、特性に応じた業務の割り振りが求められます。
職場環境が適切に整備されない限り、こうした問題は繰り返される可能性が高いことが示唆されます。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。


大人の発達障害@暮らし情報館とは



大人の発達障害@暮らし情報館について
大人の発達障害やグレーゾーンの方、またはご家族・職場の方・ご友人・パートナーに向けて、日常生活や仕事、人間関係をより安心して過ごすための工夫やヒントをわかりやすく紹介します。
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こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

