
発達障害に関する体験談を通して理解を深める
発達障害を持つ方々が直面する困難や、その乗り越え方は人それぞれです。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ方々のリアルな体験談を集め、同じ特性を持つ方々が安心して働ける環境づくりや、発達障害に対する理解を深めるための参考にしています。
あなた自身や周囲のサポートに役立つ情報をぜひお読みください。
発達障害を持つ人が職場で直面する問題とその対処法
ミントさんのリアルな体験談/心理士
★お名前と年齢を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「ミント」です。28歳です。
★性別を教えてください



「女性」です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



ADHD(注意欠如・多動症)& ASD(自閉スペクトラム症)です。
★転職回数を教えてください



0回です。
★失敗体験や辛い経験をした時の年齢を教えてください



24歳から今までです。
★その時の職種と業種を教えてください



心理士/医療機関
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
職場で感じた理不尽な瞬間 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・指示や期待が不明確で、何をすべきかわからなかった
・他の人と同じミスをしても、自分だけが厳しく叱られた
・上司や同僚が自分の特性を理解してくれなかった
・自分の特性を理由に差別的な扱いを受けた
・会議やチーム作業での意見が無視された
・特定の業務が与えられず、疎外感を感じた
・特に理不尽さは感じなかった
理不尽な上司や同僚とのやり取り
上司と先輩と私の3人の部署です。私はASDとADHDの両方の特性を薄く持っているのですが、上司はかなりADHD、先輩はASDとADHDの特性がかなり強いです。
3人ともADHDの特性があるので不注意のミスが頻発しています。
困ったことに、先輩と上司は年齢的に他部署が指摘しずらいようで、私は全く関係ない上司や先輩のミスについてもなぜか私が呼び出されたり指摘されたりします。
上司や先輩は、自分のミスだということに全く気が付いていないので、自部署に帰ってからも私のミスとして上司や先輩から怒られます。
確かに、過去に同じミスをしたことはあるので、上司や先輩からの指導の内容は自分の半生すべき点だとは思いつつも、その時に迷惑をかけた相手やその時にトラブルになっているのは私のミスではなく、もっともなことを言っている上司や先輩本人なので、「今回は私じゃありません」
といつも言えず、自分の評価が下がっています。
これまでにも言わない方がマシだったという場面がたくさんあり、自分の気持ちや考えを表現しない方が安全に過ごせることを学習しているので言わないできたけど、コミュニケーションスキルがもっとあれば、角が立たない伝え方ができるのになぁと思います。
仕事で特に苦労した場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・タスクや業務を同時に進めるとき
・締め切りや期日を守るとき
・上司や同僚とのコミュニケーションを取るとき
・会議や報告を行うとき
・複雑な業務や指示が多いとき
・ 環境が騒がしいとき
・特に苦労は感じていない
努力しても報われないと感じた経験
相手の話の意図やニュアンスを組むことが苦手なので、ハッキリ言ってもらわないとよく理解できませんでした。
その時の相手の様子からとても急ぎの仕事だろうと思い最優先で進めた仕事でも、実際には相手のテンションが上がっていただけで急ぎではなかったり、「可能な範囲で急ぎで」と言われたときに、本当に可能な範囲で無理なく作業すると翌月になってしまって先方のイメージと違ったりすることがあります。
締め切りは優先順位に関わるので、明確に言ってくれない人とのやり取りでは本当に苦労しています。
しかも、そういう人に限って、こちらが質問しても明確に時間や日にちを言ってくれないので、本当に苦労します。
仕事での失敗に対する感情(複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・自分の特性のせいで、どうしようもないと感じる
・上司や同僚の期待に応えられないと感じる
・失敗を繰り返し、自信を失ってしまう
・ミスを防ぐためにさらにプレッシャーを感じる
・周囲からの評価がさらに下がるのではと不安になる
・自分一人ではどうにもならないと感じる
・特に強い感情はない
ミスに対処しようとしたがうまくいかなかった理由
優先順位をつけるのが苦手なので、小さいメモにタスクを書き出して、上が急ぎ、下がいつでもいいけど、と言う感じで整理していました。
上司は頑固で自分のやり方が一番正しいと思っている人なので、私のその作業を見て、「紙と時間の無駄」と言い、その作業を許可してくれませんでした。
マルチタスクが苦手で、それぞれの進捗状況も覚えておくことが難しいので、結局タスクは忘れるし、混乱するし、優先順位もわからなくなるし、てんやわんやでした。
周囲に理解してもらうことの大切さを痛感しました。
職場で求めるサポートの形 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・具体的な指示やタスクの優先順位を明確にしてほしい
・締め切りに余裕を持たせてほしい
・仕事の進行状況を頻繁にチェックしてほしい
・静かで集中しやすい環境を提供してほしい
・自分の特性を理解した上で、無理な期待をしないでほしい
・特定の業務に対して補助やサポートをつけてほしい
・特にサポートは必要ない
サポートに関する具体的な希望
とにかく、断定的な言葉遣いをやめてほしいです。
「絶対に」とか「意味ない」とか、「無駄でしかない」とか。
自分の感覚とは違う人間がいることをわかってほしいです。
それから、苦手な電話に対応している時にはいつにもまして必死なので、無駄話で盛り上がるのは控えてほしいです。
業務の話なら仕方ないとは思うけど、昨日のテレビで~とか、あの歌が流行ってる~とか、いつでもいい話は電話対応中は控えてほしいです。
仕事でプレッシャーを感じた場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・締め切りが迫っている時
・複数のタスクを同時に進める時
・上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない時
・クライアント対応をしなければならない時(電話やメール)
・自分に任された仕事が上手くできていない時
・会議の準備をしている時
・特にプレッシャーは感じていない
プレッシャーに対する具体的な感情
上司と先輩は私の20歳年上です(上司と先輩は同い年)。
来る世代交代の時を危惧し、入職してすぐに上司と先輩と同じレベルの仕事スキルを求められるようになりました。
1000本ノック状態です。
勉強させてもらえたことはとても嬉しいけど、ここまで後輩を育てなかったのは2人の責任であって、すぐに二人と同じことができなかった私の責任ではないように思います。
自分の特性を説明した際の反応
上司には当初は説明していましたが、全て「私(=上司)はそうは思わない」と「~すればいいだけの話じゃないの?この会話の時間がもったいない」と言われ続け、全てを諦めました。
今の職場には自分の人権が無いと思って仕事をすることで、自分の感情をシャットアウトできるので楽になりました。
発達障害の特性に限らず、自分の事情を周囲に説明して受け止めてもらえるという安心感や期待が無いと、説明しようとか理解してもらおうという気持ちにはならないと思います。
仕事が向いていないと感じた瞬間
電話対応が非常に多いこと。
患者さんからの電話、患者さんの家族からの電話、先生(医者)からの電話、他の職種からの電話・・・。
全部細かく対応が違うので、忙しい時には特に、誰に何をしているのか混乱してしまいます。
マルチタスクも苦手なので、別の作業中に突然電話が来ると、それまでやっていた作業が頭から飛んでしまって、思い出すのに時間がかかります。
仕事を続ける上での最大の不安
3人とも発達特性があるこの部署でこのままやっていけるかどうかが不安。
今は自分の人権が無いと思って生活しているからどうにかなるけど、自分の気持ちや考えを正直に話す時が来たら、大爆発してしまいそう。
我慢には限界があるけど、自分の限界がどこまでなのか自分でもわからないから、限界が突然来るのが怖いと感じる。
職場環境での発達障害に関連する課題が浮き彫りになっています。3人全員が発達特性を持つ状況で、コミュニケーションや責任の不明確さによるストレスが高まっています。
特に、自分以外のミスに対して自分が責められるという不公平感が大きな問題です。
また、自分の意見や感情を抑え続けることで、精神的に限界を感じるという不安も伝わってきます。このような環境では、自己表現が難しくなり、結果的に孤立感や無力感が強くなります。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。


大人の発達障害@暮らし情報館とは



大人の発達障害@暮らし情報館について
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