発達障害に関する体験談を通して理解を深める
発達障害を持つ方々が直面する困難や、その乗り越え方は人それぞれです。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ方々のリアルな体験談を集め、同じ特性を持つ方々が安心して働ける環境づくりや、発達障害に対する理解を深めるための参考にしています。
あなた自身や周囲のサポートに役立つ情報をぜひお読みください。
発達障害を持つ人が職場で直面する問題とその対処法
s.tさんのリアルな体験談/病院での調理業務
★お名前と年齢を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)
「s.t」です。33歳です。
★性別を教えてください
「男性」です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?
ASD(自閉スペクトラム症)です。
★転職回数を教えてください
4回以上です。
★失敗体験や辛い経験をした時の年齢を教えてください
20歳です。
★その時の職種と業種を教えてください
病院での調理の仕事で飲食業をしていました。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
職場で感じた理不尽な瞬間 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・指示や期待が不明確で、何をすべきかわからなかった
・他の人と同じミスをしても、自分だけが厳しく叱られた
・上司や同僚が自分の特性を理解してくれなかった
・自分の特性を理由に差別的な扱いを受けた
・会議やチーム作業での意見が無視された
・特定の業務が与えられず、疎外感を感じた
・特に理不尽さは感じなかった
理不尽な上司や同僚とのやり取り
上司に仕事を教えてもらう時に、言われたことを繰り返し言うということを何度もしていると「バカにしてるのか」と言われました。
こちらは真面目に話しているつもりなのに理解されませんでした。
また、確認のつもりでひとりごとを言いながら仕事をしている時に「黙って取り組めないのか」と言われました。
自分の特性が理解されなく、上司がなぜ怒っているのか理解できませんでした。
仕事で特に苦労した場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・タスクや業務を同時に進めるとき
・締め切りや期日を守るとき
・上司や同僚とのコミュニケーションを取るとき
・会議や報告を行うとき
・複雑な業務や指示が多いとき
・ 環境が騒がしいとき
・特に苦労は感じていない
努力しても報われないと感じた経験
複数の業務を同時に進める時は本当に苦労して大変でした。
ひとつのことをやりながら頭の中では別のことを考えなければならなくて、頭がこんがらがってパンクしそうになりました。
上司には同時進行で仕事をしろと言われましたが、同時に進めるよりもひとつのことを終わらせてからまたひとつのことを終わらせる方が時間がかからず終わらせることができました。
仕事での失敗に対する感情(複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・自分の特性のせいで、どうしようもないと感じる
・上司や同僚の期待に応えられないと感じる
・失敗を繰り返し、自信を失ってしまう
・ミスを防ぐためにさらにプレッシャーを感じる
・周囲からの評価がさらに下がるのではと不安になる
・自分一人ではどうにもならないと感じる
・特に強い感情はない
ミスに対処しようとしたがうまくいかなかった理由
調理の仕事で、揚げ物をして火が通るまでの間に別の仕事をしていましたが、結局別の仕事をしている間に揚げ物は焦げてしまい、再び同じように取り組もうとしましたが、結果は同じでした。
できない理由は同時進行が苦手でいっぺんにいろんなことをするのが苦手だからだと思いました。
上司には効率良く同時に終わらせるように言われますが、私は一つずつ終わらせる方がやりやすかったです。
職場で求めるサポートの形 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・具体的な指示やタスクの優先順位を明確にしてほしい
・締め切りに余裕を持たせてほしい
・仕事の進行状況を頻繁にチェックしてほしい
・静かで集中しやすい環境を提供してほしい
・自分の特性を理解した上で、無理な期待をしないでほしい
・特定の業務に対して補助やサポートをつけてほしい
・特にサポートは必要ない
サポートに関する具体的な希望
あまりせかさずに時間に余裕をもたせてほしいです。
時間が気になると失敗してさらに二度手間、三度手間になって時間がかかってしまいます。具体的に順番をつけて一つ一つ余裕を持って仕事に取り組めたら良いと思います。
仕事でプレッシャーを感じた場面 (複数選択可)
複数選択可 ※青が回答
・締め切りが迫っている時
・複数のタスクを同時に進める時
・上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない時
・クライアント対応をしなければならない時(電話やメール)
・自分に任された仕事が上手くできていない時
・会議の準備をしている時
・特にプレッシャーは感じていない
プレッシャーに対する具体的な感情
時間内に終わらせなければならない仕事が多い時はプレッシャーが大きく、焦って冷静に仕事ができなくなります。
周りの期待に応えたいと思う分、焦りも出てきてすごく疲れます。
また、会社の人たちの集まりなどがある時はコミニュケーションを取るのが大変で周りの目も気になって何か話さなければというプレッシャーを感じます。
自分の特性を説明した際の反応
まわりの友達や上司に説明しようとしたことはありません。しかし、心療内科にかかったことがあり、その時に担当の先生に話を聞いてもらい、気持ちが少し楽になりました。
症状は改善しなくても、誰かに話を聞いてもらうだけで精神的に少し違うというのがわかりました。
周囲の人には言ってもよくわからないと思うので説明しようとは特に思わなく、変わった人と思われていても仕方ないと思っています。
仕事が向いていないと感じた瞬間
同時進行で仕事を進める時は本当に大変で、失敗をした時にこの仕事は向いていないと感じます。
また、自分のせいで誰かに迷惑をかけることもあるため誰かと一緒に仕事をするよりも自分ひとりで一つずつもくもくとこなしていく方が得意なので、複数の仕事を同時にこなしたり誰かと協力して仕事をするのは自分には向いていないいと感じます。
仕事を続ける上での最大の不安
最大の不安は仕事の内容と人間関係で、仕事は自分にとってなるべく失敗をしないように落ち着いて取り組める環境で仕事をしたいと思っています。
人間関係は人と関わるのが苦手なため一人で仕事ができる状況だと今よりも気持ちが楽にぬると思います。
職場ではみんなで協力して仕事をこなしていくことが多いため自分のせいで周りに迷惑んかけてしまうことがあります。
そのため少しでも失敗を減らすために時間に余裕を持ってできれば一つ一つ終わらせていければ良いと思っています。
現在の仕事は周りの人たちと協力しながら同時進行で複数の仕事をこなしていくように言われているため苦労しそうです。
このアンケートから職場での仕事の進め方や人間関係に不安を感じていることがわかります。
特に、一度に複数の仕事を進めるのが苦手で、周りと協力して仕事を進める際にプレッシャーを感じているようです。
落ち着いて一つずつ仕事をこなす環境があれば、ミスが減り、自信を持って働けると考えています。
このようなサポートがあれば、発達障害を持つ人々がより快適に働ける環境が整うでしょう。
本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。
この記事の監修者
鈴木祐貴(すずき ゆたか)
大人の発達障害専門サポート
発達障害の特性を持つ大人のためのコンサルタントとして、多くの方の「自分らしく働く」未来をサポートしています。
発達障害を持つ方が普通に働き、安心して日常生活を送れるような環境作りに情熱を注いでいます。
経歴と実績▼
・人材育成のプロ:人材育成10年、マネジメント10年、管理職8年の経験を持ち、発達障害を持つ部下や後輩の育成にも成功。支店や部署全体の成績向上に貢献。
・多部門での実績:人事部、営業部、管理部、経営企画部で所属長を歴任。
営業・マーケティング、社内マネジメント、企画開発など幅広い分野で活躍。
大人の発達障害 ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉症スペクトラム症・アスペルガー症候群)・グレーゾーン・繊細さん サポートについて
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
発達障害で悩んでいると、一人で抱え込みがちになってしまうかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。困ったときは、誰かを頼ってもいいんです。
むしろ、人とつながることで新しい視点や解決策が見つかることも多いものです。
自分の特性を理解し、それを活かすことで、これまで見えなかった可能性が広がります。あなたが感じている不安や悩みは、共感できる人が必ずいます。
私もその一人として、あなたの力になりたいと思っています。
これまで多くの方々が、自分自身と向き合いながら前に進んできました。
あなたもきっと、自分らしい生き方を見つけることができます。その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
ブログやSNSでは、発達障害に関する情報や日々を豊かにするヒントを発信しています。
ぜひご覧になってみてください。もし何か気になることや話してみたいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
一緒に悩みから解放され、明るい未来へと歩んでいきましょう。
あなたが自分らしく輝けるよう、心を込めてサポートいたします。
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