
発達障害を持つ大人たちが直面する課題を実体験から考えましょう
発達障害を持つ方々が子ども時代に経験した悩みや課題は、大人になった今でも生活に影響を与えていることが少なくありません。
今回のアンケートでは、発達障害を持つ大人が幼少期に感じた困難や孤立感、周囲との違和感についてのリアルなエピソードを集め、分析しました。
これらの体験を通じて、発達障害の特性を理解し、子ども時代の支援のあり方やその後の成長への影響を深く掘り下げていきます。
記事を読むことで、ご自身やご家族、支援者の方が、発達障害の子どもに対する理解とサポートの手がかりを得る一助となれば幸いです。
どうぞ今後の参考にしてください。
発達障害の特性が浮き彫りになる|子ども時代の本音と悩み
YOさんの子ども時代の体験談
★お名前を教えてください(イニシャル・ニックネーム など可能です)

「YO」です。
★年齢を教えてください



42歳です。
★性別を教えてください



女性です。
★あなたが自覚している発達障害の特性は?



ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)とHSPです。
※掲載内容は原文そのままとなっており、誤字や脱字が含まれる場合がございます。ご了承ください。
子どもの頃、注意力が続かないと感じたことは、どのくらいの頻度でありましたか?
選択式 ※青が回答
・毎日のようにあった
・週に何度かあった
・あまりなかった
・ほとんどなかった
他の子どもとの協調性が難しかった場面がありましたか?
選択式 ※青が回答
・いつも感じていた
・時々感じていた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、集団活動で困難を感じたことがありましたか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
他の子どもたちと違う行動をとってしまうことで、周りから浮いたように感じたことはありますか?
選択式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
学校や家で人と目を合わせることが難しかったですか?
選択式 ※青が回答
・とても難しかった
・少し難しかった
・あまり難しくなかった
・まったく難しくなかった
他の子どもに比べて自己主張が苦手だと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
学校や家庭でのルールや指示が理解しづらいと感じた経験はありますか?
選択 式 ※青が回答
・よくあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、特定の行動やこだわりが原因で、周囲とトラブルになったことはありますか?
選択式 ※青が回答
・何度もあった
・時々あった
・あまりなかった
・まったくなかった
子どもの頃、体育の時間や遊びで、他の子たちに比べて不安を感じた経験はありますか?
選択式 ※青が回答
・はい
・いいえ
子どもの頃、失敗を恐れる気持ちが強く、挑戦することが苦手だったと感じることはありましたか?
選択式 ※青が回答
・とても苦手だった
・すこし苦手だった
・あまり苦手ではなかった
・まったく苦手ではなかった
他の子どもと比べて感情がコントロールしにくいと感じたことはありましたか?
選択式 ※青が回答
・かなり感じた
・少し感じた
・あまり感じなかった
・まったく感じなかった
子どもの頃、大きな不安やストレスを抱えやすかったと感じますか?
選択式 ※青が回答
・非常に抱えやすかった
・少し抱えていた
・あまり抱えなかった
・まったく抱えなかった
学校や家庭での指導や指示が理解できなかったとき、どのような気持ちでしたか?
先生の指示を聞き逃したり、作業の内容が理解できず、周りの子どもたちの様子をみながらとりかかるので、作業がいつも遅くなり、休み時間になっても1人終わらないことが多々ありました。
内心とても焦ってドキドキしたのを覚えています。小4のとき、絵画を作成するのが遅くて、先生が「まだ終わっていない子手を挙げて」と言った時、私含めて3人の子が手を挙げました。
先生が「遅いけれどまだやる気はあるのか」と問いかけてきたので、私は素直に「もうやる気はありません」と答えました。
すると先生がすごく私を叱ってきたので「なんで素直な気持ちを言っただけなのに怒られるんだろう」と疑問でした。今思えば先生は「頑張って最後までやってほしい」と思っていたのでしょうが、私には人の気持の裏側を読む力がなかったので正直すぎる返答をしてしまいました。
友人や周囲との人間関係で感じた具体的なエピソードがあれば教えてください
人と付き合うことが苦手でした。なので、自分から人に声をかけて友達作りをすることがとにかくできなくて、休み時間は一人でいることが多かったです。
それはそれで自分の好きなことをする時間として楽しかったのですが、問題は、校外学習などでグループを作るときに、いつも最後まで一緒に行動するメンバーを作ることができませんでした。
グラスの余り物といったらいい方は悪いですが、仲良しメンバーがいない私にとって、自由にグループを作ることは、とても大変でしたし、一緒になるような子も私と似ていて、人付き合いが苦手な感じの子か、周りから好かれてないような子、クラスで浮いてるような子でした。
なので、自由にグループを作るのではなく、くじとか先生の独断で決めてくれたほうが楽でした。
強いこだわりなどによって、他の人とトラブルになったことはありますか?
強いこだわりはありましたが、周りに迷惑をかけるようなことはあまりなかったように思います。私は、常に自分に自信がなく、人と衝突することを恐れていたので、自分がやりたい 手順や自分がやりたい遊びは確かにありましたが、それを押し付けることはしませんでした。
どちらかというと 人の言いなりになる方が多く、自分の内側にたくさん ストレスを溜めるタイプでした。こだわりが強い分、人との関係の中でそのこだわりを自分の中に抑え込むことは、相当なストレスでした。
ただ自分が変な子、人よりも劣ってる子とずっと思ってきたので、人が言うことや やることの方が正しいというマインドでした。あまりに疲れてしまう時は人から離れて一人で過ごしていました。
それを疎ましく思う人はいたと思います。
他人から誤解を受けやすかった経験はありますか?
ずっとおとなしいタイプの子でしたが、小学校2年生のある日私がたまたま 鼻をほじっていたらそれを見つけた女の子が、「嫌だ!汚い」と大騒ぎをしました。
それを聞いた周りの子も、えー汚い!汚い!逃げろー!と大騒ぎをしたので 私は今まで人に絡んでもらう経験がなかったので、そんな反応でも嬉しくなってしまい、ほじった指を人に向けて走って追っかけ回したことがあります。
みんな は嫌がってキャーキャー 逃げ回るのを私は自分に関心を持ってくれた人がいる、そう感じて嫌がられてるのに、一緒に遊んでるような気分になったのです。
それから度々、道化を演じるようなことが増えました。
人に笑われても、自分の存在価値を感じていたからです。本当の自分はこんなことをしないでも人と関わりを持つために、ちょっと変なことをする、そんなことを繰り返していました。
学習や理解の遅れが原因で困ったことやストレスを感じたことはありますか?
算数の計算や漢字は得意でした。ゲーム感覚でこだわってできたからかもしれません。
白黒 答えがはっきりしている問題に対しては何も問題はありませんでした。
しかし、ひとたび算数の文章問題となると、文章の読解力が低く、その文章を理解し飲み込むまでに時間がかかり、大変でした。
また 国語の記述問題なんかも、求められている答えがいまいち理解できず、ピントのずれた回答ばかりしていました。
なので、国語の文章読解はとても時間がかかるし、すごく苦手でした。解説を聞いてもその解説を理解することが難しかったので、結局苦手を克服することはできませんでした。
また授業中に先生に何を聞かれているのかを理解できず とんちんかんなことを発表したこともあります。人が求めていることを考える力が弱いのだと今なら理解できます。
授業中や自宅での勉強に集中できなかった経験はありましたか?
学校で先生の説明を聞いて理解し行動することが本当に苦手だったので、なぜ周りの子はこんなにスムーズに行動できるんだろうといつも思っていました。
授業中 先生の話が耳に入ってこないことも多く、何の話をしているのか引き漏らしてしまい、事業について行けなくなることも 度々ありました。
失くし物や、忘れ物が多く、親や先生によく注意をされましたが、自分では注意しているつもりなのにどうしていいかわからないことがよくありました。
自分としては、だらけてるつもりもなく、真面目に取り組んでいても、人と同じように動けないことが多くて、自分はダメな子なんだろうなと肌で感じていました。今思うと自己肯定感が著しく低い子供でした。
宿題や課題の提出についてのエピソードを教えてください
宿題をやる意味を見出せないと、取り組みませんでした。
小学生の時、漢字のドリルを毎日のように宿題として出されていましたが、何のためにやるのかを自分で理解できなかったので、一切やらずに行ってた時期もありました。
先生に言われたことは、絶対にやらなきゃいけないという感覚が私にはなかったのです。小学校の高学年になると、その傾向はさらに顕著になり、先生に対して反抗的な態度も取っていました。
納得がいかないことをやるというのが、とにかく苦痛で仕方がなかったのです。宿題のように、先にやらなければいけないことを自分なりに計画を立ててこなすということが、できませんでした。
宿題も集中できず ダラダラ 時間をかけてやっていたことを覚えています。
集団活動や運動が苦手だった場合、それがどのような影響を与えたか教えてください
運動は特に苦手意識はありませんでした。
ただ 集団でやるバレーボールやベースボール、バスケなどの球技は、個人的に好きにはなれませんでした。
周りと波長を合わせて競技をすることはとくに楽しくもなく、盛り上がっている輪の中で私一人冷めていたことも多かったです。
個人競技を、自分が頑張って努力して成果を上げることに対しては、とても意義があることだと感じ、一生懸命にやれるのですが、ドッジボールやバスケットボールなど、相手チームの選手の性格を読んでプレーしたり、味方と声をかけたり、アイコンタクトを取りながらパスを回したり、駆け引きをすることが苦手でした。
ちなみに、第一希望であった看護短期大学の推薦入試で、個人面談の時に、集団競技が苦手である話をしたら、集団で競技に取り組むことができない人は看護師に向いてませんと言われ 試験に落とされたのを覚えています。
感情が抑えられなかったエピソードがあれば教えてください
私は自分が人とちょっと違うことを、幼い時から肌で感じていたので、自分に自信がなく、自分の意見を通そうとしたり、主張したりすることはほとんどありませんでした。
心の中ではこうした方がいいのにとか、自分なりにすごくいい意見を頭の中で考え出せても、自信がないのでそれを周りに言葉で伝える勇気はありませんでした。
ただ自分がいい 意見だと思えたことを言わずにいた時に、別の人が自分と同じ意見を堂々と主張して周りから 賞賛を受けた時には、心の内側から 怒りや 葛藤、悔しさなど、負の感情が猛烈に湧いてきました。それを何日も何日も心の中に引きずってしまい、そんな自分に嫌気がさしたことが何度もあります。
そういう時は母親に感情をぶつけていました。怒りの感情をコントロールすることがとても苦手で、物を投げたり壁を殴ったり、大泣きしたり、自分でもどうしていいかわからない感じになっていました。
学校や家庭で「普通」とされることに適応できず、葛藤した経験があれば教えてください
集中力が低く、授業中にノートに落書きをしたり、ぼーっと窓の外を見つめたり、他の考え事をよくしていたので、先生や人の話を聞き逃すことがよくありました。
座学の授業では、ずっと座っていること自体にストレスがあり、貧乏ゆすりをしていたところ、先生に注意されたこともあります。中学生になるとテスト勉強をみんなしっかりやるし、テストの点数を取ることが目標に掲げられ、出題される問題を先生が授業中に言うと みんなが必死にメモを取っていました。
しかし私はそういうことに一切何の興味も関心もなく、せっかく 先生がテストに出題する問題を言っているのにメモすら取りませんでした。
なので私はいつもテストが20点未満で先生に何回か呼び出されたことがあります。テストの点数が低いことに あまりショックを受けたこともありません。その頃は、周りと自分の感覚が違うことが理解できなかったです。
他の子どもや大人から指摘されたネガティブな特徴や言葉はありますか?
先ほども言いましたが、とにかく忘れ物やなくしものが多い子供でした。母親や先生にしょっちゅう 注意をされ、どうしてできないの どうして忘れちゃうの?気をつけなさい!とこっぴどく言われました。
しかし 自分では気をつけているつもりですし、物をなくしてるというよりかは物が勝手になくなってるという感覚でした。
忘れ物が多いことに関しても、自分でどうしようもないのでどうしたら忘れ物がなくなるのかを大人に 一緒に考えて欲しかったです。
しかし 当時は 発達障害の概念がなかったので、私のことをだらしない子 不注意な子というレッテルを周囲は貼っていました。自分も周りのこのようにうまくできず とても落ち込んでいました。
大人になった今、子どもの頃の自分を振り返ってどのように感じていますか?
当時は 発達障害の概念がありませんでした。
大人になってから ADHD や HSP であることが判明しました。
あの頃の自分はとにかく自分をダメな人間だと思っていました。でもそうではなくあなたはそういう特性を持って生まれてきてるから仕方がないのだということを伝えたいです。
だから自分ができないことではなく自分が得意なことに注視して頑張ってほしい そう伝えたいです。
主に注意力の欠如、協調性の欠如、指示理解の困難さが目立ち、さらに他人と異なる行動をとることで孤立感を感じていた様子が読み取れます。
加えて、自身のこだわりを持ちながらも、他人に迷惑をかけないよう行動を抑えるなど、自信のなさや周囲の目を気にする傾向も見られました。
このような背景からくる孤独感や不安感は、自由にグループを作る場面や集団活動の場で特に顕著に表れており、自己主張が苦手であったため周囲との距離を感じることが多かったようです。
また、学習面でも文章読解や記述問題の理解が難しかったため、時間がかかることや解釈のズレによる戸惑いがあったことがわかります。
さらに、忘れ物や課題への取り組みが難しい理由として、自らの行動に意味を見出せないと集中できないという認識が挙げられ、感情のコントロールも難しい場面が多く見受けられました。
大人になってから発達障害とHSPの特性を理解したことで、当時の自分をより受容し、自分の特性に合わせた生き方を選択できるようになったという意識の変化も示されています。
今回のお話は、発達障害やHSPを抱える方々やその家族、教育関係者にとって、こうした特性を持つ子どもがどのような悩みや葛藤を抱え、どのように自己理解を深めていくかを知る手がかりとなるでしょう。


本記事に記載されている特徴は、発達障害を持つ全ての個人に当てはまるわけではなく、個人差があることをご留意ください。


大人の発達障害@暮らし情報館とは



大人の発達障害@暮らし情報館について
大人の発達障害やグレーゾーンの方、またはご家族・職場の方・ご友人・パートナーに向けて、日常生活や仕事、人間関係をより安心して過ごすための工夫やヒントをわかりやすく紹介します。
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ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。











